「うつ・パニックは鉄不足が原因だった」藤川先生との対談・インタビュー

不安・パニックは鉄不足が原因だった?!-不安・パニックを”完治する”ためのサプリ、栄養療法

ふじかわ心療内科クリニックの藤川徳美院長にインタビューをさせて頂きましたので、掲載いたします。

掲載は対談形式ではなく、まとめた記事としてアップさせて頂きました。

薬を飲めば症状は治まるけれど・・・完治と寛解の違いとは?

ほとんどのうつやパニックの人は、薬を飲むことで症状が治ります。

けれども、薬を止めたらまた症状が出てきてしまったという人も、かなりいらっしゃるのではないでしょうか?

薬を止めても症状が出ないことを、『完治』と言います。

一方で、薬で症状をコントロールできているけれど、薬を止められない状態のことを『寛解』と言います。

完治と寛解では、全くレベルが違いますよね。

また誰でも完治を目指したいと思うのは、当然の思いと言えるでしょう。

さて広島県には、薬の処方と合わせて鉄分やたんぱく質等の栄養療法を治療に取り入れることで、大きな治療効果を奏している心療内科があります。

鉄分やたんぱく質を取る事が、どうして症状改善に関係しているのでしょうか?

 

鉄とタンパク質で、うつやパニックの症状がみるみる改善?!

鉄分の指標としてよく聞くことがあるのが、ヘモグロビンなのではないでしょうか。ヘモグロビンは血の中にあるたんぱく質で、血液を通して全身に酸素を送ります。

一方で、あまり聞きなれない言葉としてフェリチンというものがあります。これは潜在的に体の中に貯蔵されている鉄分量のことを言います。

このフェリチンの不足が、うつやパニックと大きな関係を持つとされています。

ところで女性の約8~9割は、鉄分とたんぱく質が不足している言われています。

パニックやうつの症状を持つ人の8~9割が女性で、かつ出産時期に絡んだ人であることは、うつやパニックと鉄分の関係を示している1つの証拠であるとも、捉えられるでしょう。

藤川先生のお話では、ふじかわ心療内科クリニックの初診時、男女問わず80%の人はフェリチンの値が30を切っていると言います。

またフェリチンの値が50を超えると、薬をあまり必要としない人が増えるそうです。

鉄とたんぱく質で症状が改善するならば、ぜひともその2つを、積極的に取っていきたいと思いますよね。

 

鉄とたんぱく質の役割と重要性

そもそも薬を飲むと、どうしてうつやパニックが和らぐの?

お薬を飲む目的は、セロトニンという物質を脳から出して、安心感を高めることです。

セロトニンが「幸せホルモン」と呼ばれ、気分に良い影響を与える役割を持つ脳内物質であることを、ご存じの方も多いかもしれませんね。

このセロトニンが極端に少なくなることと、うつやパニックの症状には、大きな関連性が示唆されています。

つまりうつやパニックの症状は、セロトニンの不足から引き起こされるということですね。

お薬を飲むことで、不足されたセロトニンは、補ってあげることができます。

体内のセロトニンが増えることで、気分が上向きになり、うつ症状が改善されます。

またセロトニンが送られる神経は、「不安」や「恐怖」に関係した「海馬」や「偏桃体」という脳部位にも通っています。

セロトニンが「海馬」や「偏桃体」に届けられることによって、パニック症状の元となる「不安」や「恐怖」が和らいでいくのです。

 

鉄分はそこでどんな働きをするのか?

鉄分は、セロトニンなどの神経伝達物質を作る酵素の、補酵素として機能します。

つまり鉄分が足りないと、十分なセロトニンやドーパミン、アドレナリンなどが作られなくなってしまうということなんですね^^;

鉄分が体内に豊富にあれば、セロトニンなどの神経伝達物質を大量に作ることができます。

鉄分は、うつやパニックを改善させるのに、無くてはならない存在なんですね!

では、たんぱく質が必要な理由は?

たんぱく質が分解されると、アミノ酸になりますね。

そのことを理科の授業で習った人も、多いのではないでしょうか。

アミノ酸が分解されたものが神経伝達物質となり、その1つとしてあるのがセロトニンです。

それを図示すると、以下のような流れになります。

         (分解)           (分解)

たんぱく質   →→   アミノ酸  →→  セロトニン

つまりたんぱく質が、セロトニンの材料となるんですね。

たんぱく質をいっぱい取ることで、体内のセロトニンを大量に増やせるので、うつやパニックの症状を和らげていくことができるのですね!

 

どうやって鉄とたんぱく質を取ると良いのか?

鉄分の不足とたんぱく質の不足は、ワンセットで起こります。

鉄分だけで不足するということは、ありません。

鉄分は、きはだマグロやかつおといった赤身の魚や、牛・豚・鶏レバー、牛もも・ヒレ肉、アサリ、シジミ、鶏卵などに含まれています。

ほうれん草やプルーン、小松菜、スイートコーン、枝豆にも含まれていますが、動物性たんぱく質から取った方が、断然効率は良いと伺いました。

またたんぱく質が多く含まれる食品としては、肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品を挙げることができます。

肉類などの動物性たんぱくには、鉄分と良質なたんぱく質を両方含むものが多数あります。

例えば鶏卵は、卵1個につき1.1mgの鉄分を含み、10g程度のたんぱく質も有しています。

他には・・・

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鶏レバー 100gにつき  鉄分含有量9.0mg  たんぱく質含有量18.9g

牛肉    100gにつき    鉄分含有量6.0mg  たんぱく質含有量21.7g

あゆ(焼き)100gにつき     鉄分含有量5.5mg  たんぱく質含有量26.6g

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様々な食品から鉄分とたんぱく質を取っていくことも大事ですが、色々な食品をまんべんなく食べることは結構大変ですよね。

その点、動物性食品の卵、肉、レバー、赤身の魚、チーズには、鉄分も良質なたんぱく質も両方とも含まれています。

鉄分と良質なたんぱく質の両方を含む動物性食品を食べることで、効率的に鉄分と良質的なたんぱく質を得ることができるんですね!

 

具体的に何をしたら良いのか?

①卵、肉、魚、レバー、チーズなどを積極的に食べる

肉であれば200g、卵であれば毎日2~3個程度を食べましょう。

特に卵は外から何も取り入れずに、それだけで生命が成り立つだけのたんぱく質が入っています。

豆腐などにもたんぱく質はありますが、一日2丁ほど食べる必要があり、中々厳しいですよね^^;

また鉄分をほうれん草から取ろうと思ったら、毎日4杯ほど食べないといけないようです。

そういう点でやはり、動物性たんぱくを取った方が、鉄分もたんぱく質も良質なものが効率的に取れます。

ですが、男性でかなりの量を食べられる人であれば一杯食べられますが、女性は男性よりもどうしても食べる量が少なくなりがちですよね。

そのため足りない分は、プロテイン等で補ってあげること、必要になってきます。

 

②鉄分錠剤やプロテインを飲んで補う

プロテインとしては・・・

たんぱく質のプロテインは、体重×1/2の量のグラムを服用すると、必要なだけのたんぱく質を補うことができます。

これはつまり・・・

60kgの人であれば → 30g

45kgの人であれば → 22.5g

の量が必要ということになります。

けれども、大量のたんぱく質を一度に食べられない人は、たんぱく質を分解する消化酵素も少ないことが一般的です。

そのため急に大量のプロテインを飲んでしまうと、下痢を起こしたり吐き気がしてしまうことがあります。

一日数回に分けて、少量ずつ取るようにすることが大切です。

たんぱく不足が解消されるようになれば、一度に飲んでも大丈夫になります。

またプロテインの種類はどれでも良いのですが、藤川先生としては糖質が少なくて、たんぱく質の成分が多いものがお勧めとのことです。

鉄分サプリとしては・・・

鉄分のサプリとしては、日本国内で飲まれているヘム鉄よりも、キレート鉄を推奨とのことでした。病院で処方される鉄錠剤は鉄分量が100mlと多いのですが、一日に処方できる量が決まっています。

そのためヘム鉄よりも鉄の含有量が高く、摂取量に制限の無いキレート鉄をお勧めしているとのことでした。

プロテインや鉄分サプリを摂取するのによくある質問

質問1:プロテインを飲むと、筋肉隆々のマッチョになるのでは?

プロテイン=マッチョのようなイメージがありますが、人間の体の臓器は全てたんぱく質から作られています。

心臓も肺も胃も、全てそうです。

人間の体の細胞が数か月で全て入れ替わるのは、よく知られていますよね。

その際に体は古い細胞を壊して、新しい細胞に生まれ変わります。けれども身体の中に十分なたんぱく質が無いと、身体は古い細胞を壊して再利用するようになります。

つまり家であれば、廃材を使って家を建てるのと同じ事ですよね。

元々のたんぱく質の構造とは違うものが使われるので、膠原病やリューマチなど、自己免疫疾患の原因となってしまうことがあります。

質問2:鉄分サプリもプロテインも、飲み過ぎて悪影響は無いのか?

口から飲んで取り入れた鉄分やプロテインであれば、必要以上な量だけとったら、不必要な分は全て排出されます。

飲み過ぎることを心配する必要はありません。

プロテイン等を取った上でさらにできることー糖質制限―

糖質から得たエネルギーは、車で言えばガソリンのようなものです。ガソリンがいっぱいあれば、元気いっぱいに動くことができるでしょう。

けれどもこのガソリンを作るのにも、十分な鉄が必要です。

また鉄の他に、マグネシウムなどのミネラルのやビタミンが無いと、ガソリンを作ることができません。

糖質をガソリンに変えるためには、ビタミン1を代表とするビタミンが使われるので、過剰に糖質があると、糖質を分解・代謝するのにビタミンが多く使われてしまいます。

ビタミンが多量に使われてしまうと、体の中に必要なビタミンまでも不足してしまいますよね。

ビタミンが無ければ糖質からガソリンが作れなくなるのですから、体中のエネルギーが足りなくなってしまいます。

身体はそれをエネルギー欠乏状態として感知し、ダイレクトに甘い物や炭水化物を求めるようになります。

そのことでまた体内の鉄分やビタミン不足が引き起こされていくので、悪循環になってしまうわけですね^^;

そのため、鉄分やたんぱく質が充分取れた状態であれば、糖質を必要以上取らないように心がけることが有用になってきます。

 

編集後記―

藤川先生は、鉄分とタンパク質をとっているせいか、非常にエネルギッシュでパワフルな先生でした。また、完治を目指す、という姿勢に多くの方が共感されました。

nico(株)は、藤川先生のご活動を応援しています。