パニック障害で車の運転が怖い時の対処法【トンネルや高速道路の克服法】

パニック障害を患ってから、車の運転が怖くなった
トンネルに入るのが怖い…

パニック障害(※1)に悩んでいる人の中には、「自分のせいで渋滞が発生したらどうしよう」「トンネルの中で事故を起こすかもしれない」という不安から車の運転が怖くなり、外出や遠出を控える人が少なくありません。

不安から友人や家族との外出やお出かけができないのは、つらいですよね。

そこでこの記事では、車の運転が怖い時の対処法や克服方法について解説します。トンネルが怖いときの対処法もお伝えするので、車の運転に悩んでいる人は参考にしてみてください。

この記事の要約
  • 運転中に発作が出たら無理をせず、車を路肩に止め落ち着ける状況を確保しよう
  • 舐めている飴に意識を向けるなど、別のことに集中すると発作への不安が和らぎやすくなる
  • 高速道路の運転中に発作が出たら、約1km間隔で設置されている『非常電話』を活用しよう

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症状や状況に適したパニック障害の対処法をまとめて知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

パニック障害の対処法まとめ!症状・状況別にわかりやすく解説

※1:パニック障害とは
パニック障害とは、突然の恐怖感からめまいや発作などの症状に襲われる精神疾患不安障害の一種です。パニック発作やパニック症とも呼ばれています。

監修者:新見 正則 医師
新見 正則 医師

新見正則医院院長。西洋薬を使わず、漢方など副作用や依存性の少ない方法で治療を行う。重症度の高いパニック障害の患者さんを多数、診察。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。『フローチャートメンタル漢方薬』など、著書多数。

目次

車の運転が怖いと感じる3つの理由

パニック障害を持つ人のなかには、通常の道路や高速道路・トンネルなどにおける車の運転が怖いと感じる人は多くいます。

ここでは、車の運転が怖いと感じる理由を、3つのまとめて解説します。

  • 過去に車の運転で不安な経験をした
  • 特定の場所や環境における運転への不安・恐怖
  • 発作で事故を起こしてしまうのではないかという不安

理由1:過去に車の運転で不安な経験をした

過去、車の運転中に不安な気持ちがこみ上げたり、息苦しくなったりする症状が現れた実体験があることによって、運転が怖くなってしまう人もいます。

「また同じような症状が起きたらどうしよう」
「あの時のような不安な症状が起きるのがこわい」と考えると、つい心配になってしまうためです。

理由2:特定の場所や環境における運転への不安・恐怖

日常での車の運転を不安に感じたり、怖くなったりすることはないものの、特定の場所や環境が怖くなり、遠出や普段と違う場所への車の運転ができない広場恐怖(※2)の症状に悩む人も少なくありません。

“特定の場所” には、以下のようなものがあります。

・高架
・高速道路
・渋滞
・トンネル
・長い橋
・怖くなったら車を止められるような場所がない、狭い道

車の運転中に不安な気持ちが強くなっても、路肩に車を止めて気持ちを落ち着かせたり、服用している薬を飲んだりできない場所は、心配になりやすいです。

※2:広場恐怖とは
広場恐怖(広場恐怖症)とは、すぐに逃げられない・助けを求められない状況や場所へ強い不安を感じるパニック症状の一種です。

理由3:発作で事故を起こしてしまうのではないかという不安

パニック障害に悩む人には、「症状や発作が出て、運転中に事故を起こしたらどうしよう」「自分のせいで、渋滞が起きて迷惑をかけてしまうかもしれない」と考えてハンドルを握ることを避ける人もいます。

「今日は大丈夫」と思っても、いざハンドルを握ると、心配になった…という経験をした人もいるのではないでしょうか。

車の運転中にパニック発作が出たときの対処法

車の運転中にパニック発作が起きたり、不安な気持ちが大きくなったりしたときは、どのように対処すればいいのでしょうか。

対処方法を知っておけば、不安な症状が車の運転中に起きたとしても焦らずにすみます。ここで解説する3つの対処法をチェックしておきましょう。

  • 他のことに意識を向ける
  • 路肩に車を止め落ち着くまで待つ

対処法1:他のことに意識を向ける

不安な気持ちに意識が向くと、さらに緊張や恐怖が高まり、不安が増長されてしまいます。「車の運転中にパニックになったら・苦しくなったらどうしよう」という心配な気持ちが、別のものに向くように、意識を変えてみましょう。

好きな歌を歌ったり、目につくものを声に出したり、数字を数えたりするなど意識を車の運転からそらす” ことで落ち着く場合もあ るのでおすすめです。”飴をなめる” 、”飲み物を飲む” なども意識をそらす上で効果的な方法なので、試してみるとよいでしょう。

対処法2:路肩に車を止め落ち着くまで待つ

不安な気持ちや息苦しさを感じたら、”まずは安全に停車する” ことを心がけましょう。

ハザードランプを点けて路肩に車を止めて、症状が落ち着くのを待ちます。一般道では、車道から離れた場所に車を止めてから気持ちが落ち着くのを待ちましょう。

友人や家族など同乗者がいれば、助けを求めたりそばにいたりしてもらいましょう。1人で車を運転していて動けなくなってしまった場合は、手持ちの電話で『道路緊急ダイヤル(♯9910)』に電話すると、管制センターの指示を仰いだり、レッカー車の手配に協力してもらえたりするので、おすすめです。(参考:nicot+会員専用コンテンツより

トンネルでの運転中にパニック症状が出たときの対処法

一般道の運転は大丈夫でも、トンネル内での運転に不安や恐怖心を覚える人も少なくありません。トンネルの中で事故を起こしたり、危険な状態になるのではないか、といった予期不安(※3)を感じると心配になりますよね。

ただ、トンネル内には「もしも」の時に備えた対策・配慮がされているので、事前に知っておくと安心です。

トンネルの中には、 必ず車が止まれるスペースが用意されています。 一般的な太く長いトンネルであれば路肩がありますし、 路肩が無いトンネルでも、 緊急停止区域というのが750mずつにあります。 また、トンネル内は200mずつの間隔で、 非常用電話も設置されています。

引用:nicot+会員専用コンテンツより

なお、予期不安への対処法をより詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。

パニック障害で予期不安の症状が出た際の対処法!原因や予防策も紹介

※3:予期不安とは
予期不安とは、パニック発作が起こる可能性を予期することで過剰に不安を感じる症状。パニック症状の一種です。

高速道路での運転中にパニック症状が出たときの対処方法

高速道路

高速道路では、約1km間隔で『非常電話』が設置されています。

『非常電話』は、 受話器を取るだけで “道路管制センター” につながります。SAやPAまで運転するのが不安な場合は、ハザートランプをつけて車を安全な場所に止めてから非常電話のある場所まで向かいましょう。

“ガードレールの後ろに避難” して、非常電話まで向かえば安全です。

少し運転できそうな場合は、”SAやPAまで異動して水分補給” をしたり、車から出て外の空気を吸ったりして体調や気持ちが落ち着くまで待ちましょう。近くにICの出口がある場合は、”下道” に降りた方が安全性が高まります。

補足:「#9910」とは?

#9910』は、”道路緊急ダイヤル” へつながる番号です。

幹線道路(一般道路・高速道路)で運転に関するアクシデントがあった時に連絡することで、アクシデント解消に向けてサポートを得られます。 

『道路緊急ダイヤル (#9910) 』は、固定電話からもドコモ、au、softbank各携帯電話メーカーのスマホなどからも、24時間無料でつながります。 

運転中に体調不良などで困ったときは、車を路肩に停めて、 道路緊急ダイヤルに連絡し、管制センタ ーの指示を仰ぐのも1つの手段です。

なお、不安・パニック障害に悩む7万人の方が参加するオンラインコミュニティ「にこっとプラス」では自宅や外出先で行える、薬に頼らず「食事」と「栄養」でパニック障害を克服する改善動画を無料配布しています。

実際に、本動画を視聴した91%の方が症状の改善を実感しています。パニック障害を克服する効果的な改善方法を詳しく知りたい方は、ぜひ一度お試しください。

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パニック障害を持つ人が運転への恐怖心を克服する方法

高速道路やトンネルでの運転に対する恐怖・不安感があるために、友人との外出や家族とのお出かけができなくなるのはつらいですよね。

車の運転自体や特定の場所を避けていたりすると、さらに不安な気持ちが大きくなり、運転をしてみよう、克服しようとする気持ちが生まれなくなってしまうこともあります。

運転が怖いと感じる症状の克服方法・ステップを知っておきましょう。

克服ステップ1:不安な症状が出る「状況」を確認する。

車の運転が怖い」といっても、どんな場面や状況で不安な気持ちになるかは人によって異なります。

まずは、どんな状況で不安な気持ちが大きくなったり、車の運転が怖くなったりするのかをリストアップして、自分の状況を確認してみましょう。

克服ステップ2:できそうなところから挑戦していく

「運転が怖い気持ちを克服しなくては!」と気構えるほど、かえって気持ちがつらくなってしまうことがあります。

少しずつ運転に慣れていけるよう、自宅の近くで数100mだけ車の運転をしてみたり、家族や友人に同乗してもらいながら近くの目的地まで往復してみるなど、できそうなところから挑戦してみるエクスポージャー療法(※4)を行うのがいいでしょう。

ハンドルを握ろうとすると不安になるなら、運転席に座ってみる、ハンドルに触ってみるだけでも十分です。

頑張ろう、克服しようと気負わずに、”少しずつチャレンジ” していきましょう。

スモールステップが大事です。焦らず、気負わず、少しずつ「大丈夫だった」というあんしん体験を積んでいきましょう。

新見先生(新見正則医院 院長/飯田橋駅徒歩すぐ

※4:エクスポージャー(曝露)療法とは
エクスポージャー(曝露:ばくろ)療法とは、段階的に不安を感じる原因へ触れることで、恐怖を克服していく治療法。

まとめ

車 運転 女性

パニック障害に悩んでいる人の中には、「事故を起こしたらどうしよう」「運転中に不安な症状が出たら他の人に迷惑をかけてしまう」「私のせいで渋滞が起こるのでは…」などと考えて、車の運転を避ける人は少なくありません。

家族や友人とお出かけや遠出がしたいのに、運転への恐怖心から楽しみが減るのはつらいですよね…。

ただ、対策と克服方法をきちんと学ぶことで、車の運転への恐怖を克服できたケースも数多くあります

車の運転中に気分が悪くなったり、不安な症状が起きたりしたら、ハザードランプをつけて安全な場所まで退避しましょう。

そして、車の運転への恐怖を克服するなら、“自分が知っている道から少しずつ慣れていく” のがおすすめです。まずは、体調の良い日に、ハンドルを握って自宅の近くを走ってみるところから、ゆっくりと調整していくと良いでしょう。

なお、パニック障害・不安障害のお役立ち記事を配信している『ぱにらぼ』では、パニック障害専門コミュニティ『nicot+(ニコットプラス)』を運営しています。

「にこっとプラス」では、次のように参加者同士が症状への悩みや対処法といった情報を気軽に交換することができます。

なお「いきなりコミュニティに入るのはちょっと気が引ける…」と不安な方は、自宅や外出先で行える、薬に頼らず「食事」と「栄養」でパニック障害を克服する改善動画をご覧ください。

実際に、本動画を視聴した91%の方が症状の改善を実感しています。パニック障害を克服する効果的な改善方法を詳しく知りたい方は、ぜひ一度お試しください。

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※補足:ピアカウンセリングとは
ピアカウンセリングとは、上記のニコットプラスのように同じような悩みを抱えた立場の人たちが集まり、仲間として交流・相談し合い支え合うことを目的としたカウンセリングのこと。

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