この記事では共通点や効果的な服用方法も交え、パニック障害に効く薬を紹介します。
パニック障害にはどんな薬が効くんだろう?
効果が高い薬ほど、副作用が出たりするのかな…
パニック障害に悩む方の中には、どの薬を飲めばいいのかわからないという方は多いですよね。パニック障害に効く薬にはいくつか種類があり、人によって適しているものが異なります。
仮に現在服用している薬の効果が薄い場合、他の薬に変えたら効果が実感できるということも少なくありません。ただし、薬には効き目や副作用の有無などに個人差があるため、慎重に選ぶことが大切です。
そこで、本記事ではパニック障害に効く主な薬を6つにまとめて紹介します。あわせて、パニック障害に効く薬の共通点や選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- パニック障害の薬は「抗うつ薬」と「抗不安薬」に大別される
- 薬を選ぶ際は副作用や即効性の有無を確認しよう
- 薬は専門医の診察を受けてから服用しよう
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パニック障害に効く主な薬
さっそく、パニック障害に効く主な薬を、6つにまとめて紹介します。
- 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
- セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
- 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)
- 三環系抗うつ薬
- リシクリック抗うつ薬(TCAs)
- モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOIs)
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、パニック障害の治療で主に使用される抗うつ薬です。脳内で神経伝達物質であるセロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニンの働きを増強することで抗うつ作用をあらわします。
一般的に、体内のセロトニンの働きが低下すると脳の機能不全が引き起こされ、意欲の低下や不安、不眠などの症状があらわれます。SSRIを服用することでセロトニンの低下による脳の機能不全を防ぎ、症状を緩和させることが可能です。
パニック障害をはじめ、うつ病や強迫性障害、社会不安障害などのセロトニンの働きが深く関わるとされる症状に効果があります。服用時の注意点としては、長期服用後に急に中止すると、頭痛やめまい感、全身倦怠感などの離脱反応が生じることです。
そのため、適切な用法・用量で服用することが大切です。
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRI)は、SSRIと同じ抗うつ薬のひとつです。脳内でセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、神経伝達物質の働きを増強することで抗うつ作用および抗不安作用を示します。
類似した薬であるSSRIとの違いは、セロトニンだけでなく、ノルアドレナリンも増やせることです。そのため、パニック障害やうつ病以外に神経障害性疼痛などの症状にも効果が期待できます。
服用時の注意点としては、SSRIと同様に長期服用後に急に中止すると、頭痛やめまい感、全身倦怠感などの離脱反応が生じることです。薬を減らす際には、ゆっくり減薬していく必要があります。
抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)
抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)は、抗不安作用だけでなく、鎮静・催眠作用や筋弛緩作用をあわせ持つ薬です。脳のリラックス物質であるGABAの働きを高め、抗不安や催眠などの効果を発揮します。
抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)は即効性があり、効果がすぐに現れて効き目を実感しやすいことが大きな特徴です。現在使われている抗不安薬は、ほとんどが『ベンゾジアゼピン系』となっており、症状がつらいときの頓服薬として優れた特徴を持っています。
服用する際は、同じベンゾジアゼピン系抗不安薬でも作用時間や効果の強さに違いがあるため、状態に合わせて選ぶことが大切です。
急性の発作を迅速に鎮静する効果がある「ベンゾジアゼピン系の抗不安薬」は、一時的な治療としてが使用されるケースもあります。
ただし、依存するリスクがあるため長期的な使用は避けるべきです。
三環系抗うつ薬
三環系抗うつ薬は、脳内のセロトニン・ノルアドレナリンを活性化させることで抗うつ効果を発揮する抗うつ薬です。化学構造に3つの環を持つことから「三環系抗うつ薬」と名付けられています。
パニック障害や強迫性障害、線維筋痛症などの症状に効果がある薬です。服用することで不安を軽減したり、パニック発作の症状・頻発の軽減効果が期待できます。
また、高い抗うつ効果が期待できる一方で、服用する際には副作用に注意が必要です。典型的な副作用としては、抗コリン作用による口渇や便秘、抗ヒスタミン作用による眠気や体重増加などが挙げられます。
リシクリック抗うつ薬(TCAs)
リシクリック抗うつ薬 (TCAs)は、神経伝達物質のセロトニンやノルエピネフリンの再吸収を阻害する作用を持つ抗うつ薬です。睡眠障害や注意欠陥・多動性障害、過敏性腸症候群、疼痛管理の治療において高い効果を示します。
パニック障害の治療では、発作の頻発・不安症状の軽減などの効果が期待できます。ただし、SSRIなどの副作用が比較的少ない抗うつ薬が開発されたことで、現在ではあまり使用されていません。
モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOIs)
モノアミン酸化酵素阻害薬 (MAOIs)は、セロトニンやノルエピネフリンの分解を防ぎ、働きを増強することで抗うつ作用を示す抗うつ薬です。
パニック障害やうつ病、不安障害などの症状に対して効果が期待できます。モノアミン酸化酵素阻害薬 (MAOIs)の特徴は、重度のパニック症状・標準的な治療法で回復しない症状の改善に効果があることです。
ただし、長期服用後に急に中止すると、離脱反応が生じることに注意が必要です。
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パニック障害に効く薬の共通点
ここからは、パニック障害に効く薬の共通点を、5つにまとめて紹介します。
- セロトニンの調節作用がある
- 長期服用で効果を発揮する
- ノルアドレナリンの調節作用がある
- 眠気や倦怠感などの副作用が生じる
- 服用の開始・中止時に離脱症状がみられる
なお、下の記事ではパニック障害に使用される薬を一覧で紹介しているので、あわせて参考にしてください。
セロトニンの調節作用がある
パニック障害に効く薬の多くは、セロトニンの調節作用があります。セロトニンとは脳内の神経伝達物質のひとつであり、精神を安定させる効果を持つホルモンのことです。
体内のセロトニンが低下すると脳機能の低下や心の不安定さを招き、パニック障害を引き起こすとされています。そのため、SSRIやSNRIといったセロトニンの調節作用がある薬は、精神を安定させることができ、パニック障害の症状緩和につながります。
長期服用で効果を発揮する
パニック障害に効く薬の多くは、長期服用で効果を発揮する傾向にあります。例えば、SSRIやSNRIは長期間にわたって使用されることが多く、症状の慢性的な改善を目指します。
長期間にわたって服用することで、パニック障害の症状をコントロールできるようになり、悪化や再発を防ぐことが可能です。また、長期服用する薬は頓服薬に比べて、依存性や耐性ができにくいといった特徴があります。
そのため、比較的安全に使用することができます。
ノルアドレナリンの調節作用がある
ノルアドレナリンの調節作用があることも、パニック障害に効く薬の共通点として挙げられます。例えば、SNRIや三環系抗うつ薬は、セロトニンと共にノルアドレナリンの濃度も調節し、気分の安定と不安の軽減を図ります。
パニック障害の症状が起こるのは、神経伝達物質であるノルアドレナリンが過剰に分泌されることがひとつの原因です。そのため、ノルアドレナリンの調節作用がある薬を服用することで、症状を緩和・改善することができます。
眠気や倦怠感などの副作用が生じる
パニック障害に効く薬では、眠気や倦怠感などの副作用が生じることがあります。例えば、抗不安薬やリシクリック抗うつ薬 (TCAs)には、不安を軽減する作用だけでなく睡眠作用が含まれています。
すべての薬は主作用と副作用の両方の作用を併せ持っていることが一般的です。そのため、薬を服用することで、目的とは異なる効果を発揮することも少なくありません。
副作用がない薬は、効果が薄いのとほぼ同義です。ただし、薬を服用して副作用が出た際には、一度医師に相談することをおすすめします。
服用の開始・中止時に離脱症状がみられる
薬の服用開始時や中止時に離脱症状が現れるという点は、パニック障害に効果的な薬の共通点の一つとして挙げられます。なかでもSSRIやベンゾジアゼピン系の薬は、服用を開始したり中止したりする際に離脱症状や副作用が現れることがあります。
離脱症状には不安の再発や不眠、気分の変動、頭痛、めまいなどの症状が現れることが一般的です。そのため、薬の服用開始時や中止時に離脱症状が現れる薬を服用する際は、医師の指導のもとで服用量を調整しながら使用することが大切です。
パニック障害に効く薬の選び方
ここからは、パニック障害に効く薬の選び方を、3つにまとめて紹介します。
- 処方薬か市販薬か
- 即効性があるか
- 副作用の程度はどのくらいか
処方薬か市販薬か
薬を服用する際に、処方薬と市販薬のどちらにすべきか迷う方も多くいるかもしれませんが、パニック障害には医師の処方薬を選びましょう。なぜなら、患者の体質や症状にあわせて選定された医師の処方薬の方が高い効果が期待できるためです。
ドラッグストアへ行けば購入できる市販薬は、特定の人物に向けて作られたものではないことから効き目が弱い傾向にあります。また、市販薬を服用することで依存性や耐性が生じてしまうというリスクも考えられます。
依存性や耐性が生じると薬の効果が薄くなり、症状が悪化することにもなりかねません。そのため、処方薬か市販薬か悩んだ場合には、医師の処方薬を服用するのが賢明です。
なお、下の記事ではパニック障害の主要な処方薬を紹介しているので、あわせて参考にしてください。
即効性があるか
パニック障害の薬を選ぶ際は、即効性があるかを確認しましょう。即効性があるかどうかで、副作用の程度や適した薬が変わってきます。
即効性が期待できる薬としては、次の5つが代表的です。
- アルプラゾラム
- ロラゼパム
- クロナゼパム
- ジアゼパム
- クロルジアゼポキシド
即効性が高い薬には副作用が生じるリスクもあります。そのため、服用する際は医師の指導のもと使用することが大切です。
なお、下の記事では即効性があるパニック障害に効く薬を紹介しているので、あわせて参考にしてください。
→ 即効性があるパニック障害に効く薬5選!服用時の注意点も紹介
副作用の程度はどのくらいか
パニック障害の薬を選ぶ際は、副作用の程度はどのくらいかを事前に確かめておくことが大切です。パニック障害の薬は、服用による神経伝達物質の変化や他の薬との相互作用などの理由から副作用が出るケースも少なくありません。
場合によっては副作用でつらい思いをしてしまうこともあります。薬によって現れる副作用は異なるため、医師に相談しながら薬を選定することがおすすめです。
医師は、薬の効果と副作用の可能性の双方を考えて薬を処方しています。そのため、医師に相談した上で薬を選定することで副作用が起こるリスクを最大限減らすことができます。
なお、下の記事ではパニック障害の薬における副作用を解説しているので、あわせて参考にしてください。
→ パニック障害の薬に副作用はある?症状例や服用時の注意点も紹介
パニック障害の薬が効かない時の対処法
「パニック障害の薬を服用しているのになかなか効果が出ない」と悩んでいる方もいますよね。パニック障害の薬が効かない場合には、まず現在の治療計画を見直すために、医師に相談することが大切です。
薬が効かないのには、薬への抗体ができていたり、症状に効かない薬を服用しているなどのさまざまな理由が考えられます。そのため、医師に相談することで、薬の種類や用量を調整したり、他の治療法を提案してもらうことが可能です。
また、心理療法を試してみることもひとつの方法です。心理療法とは、認知行動療法(※)によってパニック障害を正しく理解し、症状を引き起こす考え方や行動を変化させる治療法を指します。
心理療法を行い「薬がなくても大丈夫」という自信をつけることで、症状を緩和させることができます。
下の記事ではパニック障害の薬が効かない時の対処法を紹介しているので、あわせて参考にしてください。
パニック障害の改善法をより詳しく知りたい人は次の動画を参考にしてください。
また、パニック障害で不安になる原因を詳しく知りたい人は、下の動画も参考にしてください。
パニック障害の薬によくある疑問
最後に、パニック障害の薬によくある疑問にまとめて回答します。
- 薬を飲んでいればパニック障害は治るの?
- 薬を服用する期間の目安は?
- 薬よりも漢方が良いって噂は本当?
薬を飲んでいればパニック障害は治るの?
結論から言うと、薬だけでパニック障害を完治させることは困難です。なぜなら、パニック障害は薬物療法と心理療法を組み合わせた治療を行うことで、症状の起きない身体を作っていくためです。
薬を服用することでパニック障害の症状が改善したとしても、安定した状態が続く患者さんは半数未満と言われています。そのため、薬を飲んでいればパニック障害が治るということはないと思っておきましょう。
薬を服用する期間の目安は?
パニック障害の薬を服用する期間の目安は最低6ヶ月、完治にはおよそ12ヶ月が必要です。その理由は、薬物治療によってパニック障害の症状を安定させるのに、最低でも6ヶ月の期間がかかるためです。
基本的に、薬を3ヶ月ほど服用してパニック発作が落ち着いてきたら、予期不安(※2)や広場恐怖(※3)の治療を行っていきます。その後、残りの3ヶ月間で症状を安定させ、症状の再発防止や減薬をしていきます。
症状の再発防止や減薬は、医師と相談しながら症状にあわせて進めていくのが一般的です。
なお、下の記事ではパニック障害の薬を服用する期間を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
→ パニック障害の薬はいつまで服用すればいい?投薬期間の目安を解説
薬よりも漢方が良いって噂は本当?
医師の処方薬と漢方はどちらもパニック障害に効果的であり、一概にどちらが良いとは言えません。ただし、副作用や依存性を避けたいという場合には、漢方を服用することがおすすめです。
漢方研究の第一人者である新見正則先生によると、漢方は副作用と依存性はほとんどないとされています。比較的安全に服用できるため、漢方を試してみたいという方は医師に相談してみましょう。
なお、下の記事ではパニック障害に効く漢方を紹介しているので、あわせて参考にしてください。
→ パニック障害に効く漢方ランキングTOP8!飲み方や注意点も紹介
まとめ:パニック障害の薬は医師の診療を経て服用しよう
本記事では、パニック障害に効く主な薬や、パニック障害に効く薬の共通点を紹介しました。パニック障害は薬を正しく服用することで、症状を緩和・改善することができます。
しかし、知識なく・用量を守らず薬を服用しては症状が悪化しかねません。そのため、パニック障害の薬は医師の診療を経た上で服用するようにしましょう。
また、市販薬を飲む場合も一度医師から診察を受けることをおすすめします。
本メディア「ぱにらぼ」の監修を務める新見先生の「新見正則医院」では、パニック障害の症状をヒアリングしたうえで、適切な処方が受けられます。専門の主治医が決まっていない方は、この機に一度ご受診ください。
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