この記事では注意点も交え、パニック障害の薬物療法中に妊娠を希望できるのか、その可否を解説します。
パニック障害の薬物療法中に妊娠しても大丈夫かな?
薬を服用していると、赤ちゃんにどんな影響があるんだろう…
パニック障害に悩む方のなかには、薬の服用がお腹の赤ちゃんに影響を及ぼすのではないかと不安な方もいますよね。
パニック障害の治療に使われる薬の中には、妊娠に影響を与える可能性があるものも存在します。しかし、すべての服薬を中止する必要はありません。
とはいえ、お腹の赤ちゃんのことを考えると、不安が拭えないという方もいるはずです。
そこで、本記事ではパニック障害の薬物療法中に妊娠を希望する注意点を紹介します。薬の服用が妊娠に及ぼす影響も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- パニック障害がある場合の妊娠希望には医師との相談が必要
- 妊娠中の薬には赤ちゃんに影響を及ぼすものもあり注意が必要
- 薬に頼りすぎない対処法を知ることで心配の少ない妊娠生活を過ごせる
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パニック障害の薬物療法に取り組みながら妊娠希望できる?
結論から言うと、パニック障害の薬を服用しながらの妊娠は可能です。理由として、妊娠するにあたって影響の少ない内服薬やパニック障害の治療方針が設けられているためです。
パニック障害を持ちながら、無事に可愛い赤ちゃんを出産した方もたくさんいます。パニック障害の服薬をしながら妊娠希望する場合には、まず主治医に相談することが大切です。
主治医にパニック障害の病状や経過を相談し、穏やかな妊娠生活を送りましょう。とはいえ、流産や母体の体調悪化などを起こさない可能性がまったくないわけではありません。
パニック障害がなくても、すべての妊娠には何らかのリスクがあります。さまざまな可能性を考慮し、より母体と赤ちゃんにとって安心な方法を選びましょう。
パニック障害の薬を服用中も妊娠は継続可能
パニック障害の方が服薬を続けているあいだも、妊娠の継続は可能です。なぜなら、精神科医も妊娠の可能性がある人にはできるだけ安全性の高い薬を選んで処方するためです。
妊娠中の薬は原則「使用を控えたほうがよい」とされています。しかし、パニック障害を抱え妊娠した場合、妊娠中や産後に薬の内服を継続した方がいいケースがあります。
妊娠中は薬の服用は控えた方がよい
薬の説明書には、ほぼ「妊娠中は使用を控えたほうがよい」「妊娠中は医師と相談」と書かれています。なぜなら、妊娠継続における薬の影響がはっきりと断定できないためです。
倫理的に妊婦さんに臨床研究ができないため、はっきりとリスクについては解明されていません。したがって、動物実験や症例報告などのデータからリスクを推測しているのです。
危険性が指摘されているもの以外は大きな影響はないと言われていますが、薬である以上リスクはあります。可能であれば主治医に相談し、薬の使用について検討することをおすすめします。
妊娠中に薬の服用を継続した方がいいケース
妊娠中、パニック障害の内服を継続した方がいいケースは、薬の使用が病状安定に必要な場合です。絶対に安全とは言いきれなくても、有益性が副作用を上回る場合は薬を使用することがあります。
薬を中断したり減薬したりすることで、妊娠中の精神状態が悪化する場合があります。薬をやめるデメリットが大きい場合は服薬を継続したほうがいいでしょう。
一人で悩んだり勝手に薬の量を調整したりしないことが大切です。必ず主治医に相談するようにしてください。
出産後も薬の服用を継続した方がいいケース
出産後もパニック障害の薬を服用した方がいいケースは、産後の情緒が不安定になってしまう方です。出産後はパニック障害のある方だけでなく、どの女性もホルモンバランスが崩れます。
稀にパニック障害を持ちながら無理をして、薬を飲まずに症状が悪化してしまう方がいます。産後の精神状態が不安定になると、育児不安や虐待、自殺企図などを起こしてしまう可能性があるため注意が必要です。
育児は長く続く道のりです。つらい気持ちを抱えながら心身共に疲弊するより、服薬をしていても穏やかに過ごすことが大切です。
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妊娠を希望する際に注意が必要な薬
ここからは、妊娠を希望するときに注意が必要な薬を、3つにまとめて紹介します。パニック障害の治療薬は、一部に奇形率や発育へのリスクが報告されているため、しっかりと把握しておくことが重要です。
- パキシル(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
- 三環系抗うつ剤
- 四環系抗うつ剤
パキシル(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
妊娠中にパキシルを服薬することにより、先天異常のリスクが増加するとの報告があげられています。具体的には、心血管系異常(心室または心房中隔欠損など)のリスクが上昇するため注意が必要です。
また、妊娠後期における使用により、赤ちゃんに呼吸抑制やチアノーゼ、てんかん様発作などの症状がみられたという報告があります。そのほかには、新生児仮死あるいは薬物離脱症状として報告されたケースなどです。
厚生労働省によると、妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与を開始することと記述されています。
妊娠中にパキシルが処方された場合は、別の薬へ変更ができないか主治医に相談した方が安心です。
三環系抗うつ剤
三輪系抗うつ剤も、妊娠希望する際に注意が必要な薬の1つです。その理由は、外国で四肢欠損や心臓奇形のある赤ちゃんの出産が報告されているためです。
しかしながら、三輪系抗うつ剤全体では明らかな催奇形性はあげられていません。それは妊娠時に使用された報告がほとんどない三環系うつ薬があるからです。
そのため、薬剤ごとの安全性については研究が不十分といえます。今後も研究が必要ですが、近年は新規の抗うつ薬が処方される傾向になり情報集積が難しくなってきています。
もし処方された場合は、主治医と服用に関するリスクを十分に話し合うようにしてください。
四環系抗うつ剤
四環系抗うつ剤も、妊娠中の服用に注意が必要な薬です。なぜなら、催奇形性が報告されているためです。
妊娠時の使用については情報が少なく、安全性を十分に評価することは難しい状態です。催奇形性の影響は少ないとされていますが、今後も詳しい研究が求められます。
三輪系抗うつ剤と同様に新規抗うつ剤が使用される傾向にあるため、積極的な情報集積は難しいでしょう。リスクを含むため、主治医と相談しほかの薬へ変更を依頼すると安心です。
なお、下の記事ではパニック障害の薬一覧を紹介しているので、あわせて参考にしてください。
妊娠希望時にパニック障害の服用薬が及ぼす影響
パニック障害の内服薬が妊娠に及ぼす影響に大きなものはないとされています。しかし、異常や奇形のリスクは報告されています。具体的には奇形や筋肉のこわばり、ひきつけなどです。
ここからは、妊娠の時期を2種類にわけ、それぞれの影響について解説します。
- 妊娠前~妊娠初期
- 妊娠後期~臨月
妊娠前~妊娠初期
パニック障害の薬には、妊娠に大きな影響があったという報告はほとんどありません。しかし、絶対に大丈夫だという保証もないのです。
なぜなら、パニック障害の治療薬を服用しているあいだ、奇形率をやや高めるリスクがあると報告されているためです。
最後に生理が終わった日から4〜7週が赤ちゃんの器官形成期といわれ、重要な時期とされています。8週を過ぎると薬によるリスクが小さくなります。
13週以降は機能異常がみられることがあっても、奇形の可能性にはほとんど影響しないといわれている期間です。もし、妊娠がわかる前に薬を飲んでいた場合も大きな影響はないとされています。
妊娠後期~臨月
妊娠後期〜臨月では、服用したパニック障害の薬が、産後の赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があります。その理由は、薬の成分が胎盤を経て赤ちゃんに影響するためです。
産後の赤ちゃんに筋肉弛緩や仮眠、こわばりや震えといった離脱症状が現れることがあります。なかでも抗不安薬、睡眠薬、抗うつ剤などには注意が必要です。
向精神薬以外にも、多くの解熱鎮痛剤は使用禁止となっている場合があります。解熱鎮痛剤であればカロナールやピリナジンが比較的安心です。
有効成分が「アセトアミノフェン」のみのものを選ぶようにしてください。服用前に再度注意書きを読むようにすると服薬の不安も減ります。
パニック障害で妊娠希望する前に知っておくべきこと
ここからは、パニック障害をもちながら妊娠希望する前に知っておくべきことを、4つにまとめて紹介します。できるだけ計画的な妊娠をすることで、赤ちゃんが元気に育っているかという不安を減らせます。
- 予想外の妊娠はできるだけ避ける
- 医師に相談する
- 家族に支えを求める
- もし流産や奇形が認められても自分を責めない
予想外の妊娠はできるだけ避ける
パニック障害を持つ方は、予想外の妊娠はできるだけ避けることが賢明です。
パニック障害の方が計画的に妊娠をすると、できるだけリスクを減らした妊娠生活を送ることができます。具体的には妊娠を希望することで、内服薬の種類や量が検討しやすくなります。
また、妊娠を希望している場合はカフェインを減らし、アルコールを制限するなど生活の改善にも取り組みやすくなるでしょう。
もし計画外に妊娠してしまっても、問題はありません。過度に心配しすぎず、妊娠しているかもしれないことを最寄りの産婦人科や主治医に相談してください。
医師に相談する
妊娠を希望する際には、前もって産婦人科や治療中の精神科に相談するようにしてください。パニック障害を持っていても、母子ともに良好な妊娠の経過が辿れるようサポートをしてくれるからです。
薬の種類や内容については、主治医の判断に従うと安心です。
もし、自分でも調べてみたいと感じた場合は国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」で調べることができます。厚生労働省が2005年からはじめた事業で、一部に費用がかかりますが、主治医の相談や電話相談であれば費用はかかりません。
薬について心配なことがある場合は、厚生労働省が発表している「妊娠中の医薬品使用について」も参考にしてください。
家族に支えを求める
家族に支えを求めることは、妊娠希望する前や妊娠中にも大切なポイントです。パニック障害にかかわらず、妊娠して赤ちゃんを育てる責任を1人で背負ってはいけないためです。
妊娠したら内服をやめればいいという簡単な問題ではありません。妊娠から出産まではおよそ1年かかります。
心身への負担も大きく、妊婦さんが誰にも頼らず1人で乗り越えることは非常に大変です。家族や友人、公的機関の支えが必要です。頑張りすぎず、周囲をうまく頼るようにしてください。
パニック障害を持つ人を周囲がどう支えるのかを詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
→ パニック障害に悩む人を周りはどう支える?接し方や対応の仕方も紹介
もし流産や奇形が認められても自分を責めない
もし流産や赤ちゃんに奇形が認められても、自分を責めてはいけません。すべての理由がお母さんにあるわけではないからです。
流産の原因は、ほとんどが赤ちゃんにあるとされています。赤ちゃん自身の遺伝的な問題やうまく成長できないなど、生きていけなくなったことが多くの理由です。
薬の影響がまったくないとは言いきれませんが、可能性としては低いでしょう。健康な母体で徹底的にリスクを避けてきたとしても、流産をしたり、赤ちゃんに障害が見つかったりすることがあります。
大切なのは、自分を責めないことです。奇形は産後に治療ができるものもあります。赤ちゃんを育てていくうえで、自分を責めない意識づくりは非常に大切です。
妊娠希望の方は認知行動療法での治療も選択肢の1つ
パニック障害を持ちながら、妊娠を希望する方には認知行動療法(CBT:Cognitive Behavior Therapy)も1つの選択肢です。認知行動療法は、薬に頼らずパニック障害を乗り越えられるようにする効果があります。
ここからは、妊娠を希望している方におすすめの認知行動療法を、5つにまとめて紹介します。
- 不安日誌
- 呼吸法
- 漸進的筋弛緩法(リラクゼーション)
- 自律訓練法
- 生活習慣の改善
不安日誌
不安日誌とは、暮らしのなかで気づいた「不安を感じる特定の場所や時間」などについてメモにしたものです。日記としても使えますが、不安になる要素を振り返り、客観視するためのツールとしても使えます。
認知行動療法の対処法として、日本認知・行動療法学会では不安日誌を書くことで不安が徐々に下がり、専門機関を受診したくない理由にも対処ができたと報告されています。結果として受診ができるようになり、減薬成功のポイントになったという報告もあります。
不安を起こしやすいポイントと対処に気づくことは、薬にばかり頼らなくてもいいという精神的な安心にもつながるでしょう。
また、パニック障害で不安になる原因を詳しく知りたい人は、下の動画も参考にしてください。
呼吸法
パニック発作を落ち着かせるときに、呼吸法は有効な方法の1つです。呼吸を整えるために、ゆっくりと深呼吸をしてみましょう。
深呼吸の際は、「5秒かけて息を吐き、5秒息を止める、5秒かけて息を吸う、5秒息を止める」という呼吸法がおすすめです。呼吸をコントロールすると過呼吸状態を防げます。
呼吸が整うと心拍数や血圧、精神的にも落ち着いてくるでしょう。薬を使わずパニック障害の症状を和らげるには、呼吸法を意識してみてください。
漸進的筋弛緩法(リラクゼーション)
漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)は、薬を使わずパニック症状を落ち着かせる手段です。体の筋肉の緊張と弛緩を繰り返すことで心身をリラックスさせる効果があります。
反動で脱力状態を作り出すため、ストレスや不安も緩和します。日々のストレスや不眠に悩んでいる方などにおすすめされる方法です。
心が緊張している場合や疲労を感じるときにおこなうと、ほどよくリラックスできるでしょう。
パニック障害の改善法をより詳しく知りたい人は次の動画を参考にしてください。
自律訓練法
自律訓練法も、薬に頼らずパニック障害を和らげてくれる手段の1つです。自律訓練法とは心身をリラックスさせ、ストレスを軽減する自己暗示法です。
決められた言葉を繰り返し唱え、体に意識を向けることでリラックス状態を作り出します。場所や時間を問わずおこなうことができ、特別な道具は必要ありません。
不安や緊張を減らし、パニック発作を落ち着けてくれる効果があります。 自律訓練法は手軽に取り組める手段です。ストレスが蓄積する前に試してみましょう。
生活習慣の改善
薬に頼らずパニック障害の症状を落ち着かせたい場合は、生活習慣の改善が大切です。パニック発作の予防には、健やかな体づくりとストレスの少ない生活が重要になります。
具体的にはカフェインを控え、適度に運動をすることがおすすめです。次の表で、具体的な改善例をまとめています。
詳細 | |
---|---|
カフェインを控える | カフェインは神経の興奮物質であるノルアドレナリンを増加させてしまう |
規則正しい生活リズム | 緊張やストレスを感じにくい体をつくる |
適度に運動する | 心拍数の上昇によりパニック障害の発作と似たような状況を作り出せる ※エクスポージャー(曝露:ばくろ)療法 |
取り組みやすい内容からはじめ、日常の中へ取り入れていきましょう。
なお、下の記事では、パニック障害にカフェインがよくない理由を紹介しています。日常生活で取り組める習慣術や運動方法についてもまとめているため、ぜひ参考にしてください。
→ パニック障害にカフェインが良くない理由!摂取量の目安も紹介
→ パニック障害の予防ガイド!日常生活で取り組める習慣術【症状別】
まとめ
パニック障害の薬を服用しながら妊娠を希望する場合は、必ず医師に相談することが大切です。
赤ちゃんへの影響が少ない薬もありますが、すべての薬が安全とはいえません。少しでも内服のリスクを軽減するために、パニック障害の症状をコントロールすることを目指しましょう。
経過によっては、減薬も可能です。家族や医師と協力のもと安全な妊娠ができ、かわいい赤ちゃんに出会えますよう願っています。
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