パニック障害を治すには?治療法や手順をわかりやすく解説

パニック障害を治すには

パニック障害を治すにはどうしたらいいの?
このままパニック障害が治らなかったらどうしよう…
パニック障害を完治した人は何をしたんだろう?

何の前触れもなく突然症状が起こるパニック障害に悩んでいる方は多いですよね。最近では医学の発展により、薬の服用でパニック障害の症状が良くなってきた人も増えてきました。

しかし、薬だけですべての症状が落ち着くとは限りません。薬を飲んでいるのに症状が良くならないと「自分は治らないのではないか」と不安になってしまいますよね。

パニック障害は薬の服用も大切ですが、それと同じくらい薬に頼らない治療法を試してみることも大切です。

そこで、本記事では次の治療法別にパニック障害を治す方法をステップ形式で解説します。

この記事を読めば、パニック障害を治すイメージが湧くだけでなく、具体的な手順を理解できますよ。

この記事の要約

パニック障害の治療法の種類

パニック障害の治療法は、下記の薬物療法と心理療法に大別されており、双方を組み合わせることで治療を進めるのが一般的です。

  • 薬物療法:処方薬を使いながらパニック障害の治療を進める方法。初期段階では抗不安薬とSSRIを併用、症状が改善されてきたら抗不安薬を減らしてくのが一般的な薬物療法の流れです。
  • 心理(精神)療法:日常生活で無意識のうちに行なっている、症状を引き起こす考え方や行動を変えることで治療をはかる方法。薬物療法を実践し、症状をコントロールできるようになった段階で取り組むのがおすすめ。

→ 治療法それぞれの詳細はこちらをチェック!

パニック障害の治療手順

薬物療法の治療手順

  • 精神科・心療内科がある病院で診てもらう:専門医がいる病院を選ぶのが賢明
  • 継続的に処方薬を服用する:飲み忘れや中断は症状の悪化につながる
  • 定期的に診察を受ける:症状の変化に応じて適切な治療が進められる

→手順の詳細はこちらをチェック!

心理(精神)療法の治療手順

  • パニック障害への理解を深める:無知は症状の悪化につながる
  • 症状が出るきっかけを特定する:原因がわかれば適切な治療が行えるに
  • 対処法を知る:突然の症状にも冷静に対処できる
  • 曝露療法に取り組んでみる:段階的に不安へ慣れていくことで、恐怖への耐性が身につく
  • リラクゼーション技法を試してみる:深呼吸や自律訓練法/漸進的筋弛緩法などの実践

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監修者:新見 正則 医師
新見 正則 医師

新見正則医院院長。西洋薬を使わず、漢方など副作用や依存性の少ない方法で治療を行う。重症度の高いパニック障害の患者さんを多数、診察。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。『フローチャートメンタル漢方薬』など、著書多数。

目次

パニック障害の治療法

はじめに、パニック障害の主な治療法を、2つにまとめて解説します。

  • 薬物療法
  • 心理(精神)療法

なお、パニック障害は上記を組み合わせた治療がおすすめです。それぞれの特徴を把握し、適切な治療を進めましょう。

パニック障害になる原因を知りたい人は、下の動画も合わせてご覧ください。

薬物療法

薬物療法とは、パニック障害による発作をなくすことを目的に、抗不安薬とSSRI(※1)を使って治療していく方法です。一般的に、治療初期は抗不安薬とSSRIを併用し、症状が改善したら抗不安薬を減らしていきます。

SSRIは即効性がなく、効果が出るまでに3週間ほどかかりますが、確かな効果が期待できる薬です。抗不安薬は症状の改善に合わせて、頓服的に使用していきます。

また、パニック障害における薬物療法では市販薬ではなく、医師の処方薬を服用することがおすすめです。なぜなら、誰でも使える市販薬よりも患者の体質や症状にあわせて選定された処方薬の方が効果が見込めるからです。

同じ病気でも年齢や体質、症状などによって薬の効き具合が異なります。そのため、一度医師に見てもらい、自身にあった薬を処方してもらいましょう。

なお、本メディア「ぱにらぼ」の監修を務める新見先生の「新見正則医院」では、パニック障害の症状をヒアリングしたうえで、適切な処方が受けられます。専門の主治医が決まっていない方は、この機に一度ご受診ください。

※1:SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)とは、抗うつ作用や抗不安作用を示す薬です。服用することで、細胞内へ一度放出されたセロトニンの再取り込みを阻害し、脳内のセロトニン濃度を上昇させ神経伝達をスムーズにする効果が期待できます。

心理(精神)療法

心理(精神)療法とは、認知行動療法(※)によってパニック障害を正しく理解し、症状を引き起こす考え方や行動を変化させる治療法のことです。

パニック障害は、薬を服用していれば治るということはほとんどありません。基本的には薬物療法で発作の対策を行った後、心理(精神)療法を組み合わせて治療していきます。

具体例として挙げられるのは、これまで発作が起こることを恐れて近づかなかった場所や状況に少しずつ慣れていくといった方法です。「薬がなくても大丈夫」という自信をつけていくことで、症状を緩和させていきます。

心理(精神)療法は、薬物療法を実践して発作のコントロールができ始めてきた方におすすめの治療法です。治療には長い時間を要するものの、対処法を身につけることで症状の克服や再発防止に役立ちます。

※2:認知行動療法
認知に働きかけることで、ストレスなどの心の問題を軽減する心理療法。考え方のバランスを取って、ストレスに上手に対応できる心の状態をつくっていきます。

なお、不安・パニック障害に悩む7万人の方が参加するオンラインコミュニティ「にこっとプラス」では自宅や外出先で行える、薬に頼らず「食事」と「栄養」でパニック障害を克服する改善動画を無料配布しています。

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薬物療法でパニック障害を治す3STEP

ここからは、薬物療法でパニック障害を治す際の手順を、3つのステップにまとめて解説します。

  • STEP1:精神科・心療内科で診てもらう
  • STEP2:忘れず継続的に処方薬を服用する
  • STEP3:定期的に診察を受ける

STEP1:精神科・心療内科で診てもらう

まずは、パニック障害の症状が出たら精神科・心療内科で診てもらいましょう。パニック障害は放置していると症状が悪化し、克服までに長い時間を要します。

そのため、症状が出たらなるべく対処することが大切です。診察を受ける病院を決める際は、次の6つを参考にして選んでみてください。

  • 精神科・心療内科があるか
  • 主治医制をとっている
  • 無理なく通えるか
  • 受診者からの評判は良いか
  • 指定医・専門医の資格を持つ医師がいるか
  • カウンセリングが受けられるか

詳細を確認しないまま病院を選ぶと「もっとちゃんと調べればよかった…」と後悔しかねません。そのため、上記6つを確認し診察を受けるようにしましょう。

STEP2:忘れず継続的に処方薬を服用する

医師の診断を受けて薬を処方されたら、忘れず継続的に処方薬を服用することが大切です。薬を飲み忘れたり、自己判断で中断したりすると、かえって症状を悪化させることになりかねません。

そのため、用法・用量を守って適切に服用しましょう。とくに、SSRIは効果が出るまでの3週間のうちに副作用が出る場合があり、不安から途中で薬を中断してしまう方がいます。

しかし、薬の効果を発揮するなら自己判断で薬を中断することは避けるのが賢明です。医師に処方された服用方法を必ず守るようにしてください。

STEP3:定期的に診察を受ける

薬物療法では、定期的に診察を受けることが大切です。なぜなら、その時の体調や症状の状態によって、適切な薬や量が異なるからです。

また、日々の薬物療法における疑問点や不安に感じていることも診察の際に相談してみると良いでしょう。パニック障害では、勝手な自己判断による行動で症状が悪化することも少なくありません。

そのため、定期的に診察を受け、その都度適切な治療ができるようにすることが大切です。

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心理(精神)療法でパニック障害を治す5STEP

ここからは、心理(精神)療法でパニック障害を治す際の手順を、5つのステップにまとめて解説します。

  • STEP1:パニック障害への理解を深める
  • STEP2:症状の原因・きっかけを特定する
  • STEP3:症状への対処法を知る
  • STEP4:エクスポージャー(曝露)療法を試してみる
  • STEP5:リラクゼーション技法を試してみる

STEP1:パニック障害への理解を深める

心理(精神)療法では、パニック障害への理解を深めることが重要です。なぜなら、自分が知らず知らずのうちにとっている行動がパニック障害を悪化させている可能性があるためです。

パニック障害の人が知らず知らずのうちにとっている、パニック障害を悪化させる行動としては次のようなものが挙げられます。

  • 日常的にカフェインやアルコールを摂取している
  • 夜に不安な感情が大きくなることで睡眠不足になっている
  • バランスの取れた食事を取っていない

パニック障害の症状を緩和・克服するには、日常生活を改善することが大切です。そのため、パニック障害への正しい理解を深めるようにしましょう。

STEP2:症状の原因・きっかけを特定する

パニック障害に悩む方は、症状の原因・きっかけを特定することも大切です。症状の原因・きっかけがわからないと「このまま治らないのではないか」というように不安な気持ちが大きくなってしまいます。

しかし、正しい知識や情報により原因やきっかけがわかれば、事前に対策を打つことが可能です。また、対処法がはっきりすることで安心感につながり、症状が改善することもあります。

多くの場合、パニック障害の症状が起きる状況には共通点があります。症状が起きた時の状況や時間帯などをまとめておき、原因・きっかけを特定してみましょう。

STEP3:症状への対処法を知る

症状への対処法を知ることは、パニック障害を治すためにとても重要です。パニック障害の発作が起きた時に対処法を知らなければ、不安が大きくなって症状が落ち着くまでに時間がかかってしまいます。

また、対処法がわからずに発作が悪化した経験をすると、予期不安(※3)に悩むようになることも少なくありません。パニック障害によって起こる症状は、めまいや吐き気、動悸、息苦しさなど人によってさまざまです。

症状によって適切な対処法は異なるため、事前に症状別の対処法を知っておくようにしましょう。

※3:予期不安とは
予期不安とは、再びパニック発作が起こることを恐れ、その可能性を予期して感じる持続的な不安感です。意識的に発作が起こりやすい状況や場所を避ける原因になることで、日常生活に支障が起きるケースもあります。

STEP4:エクスポージャー(曝露)療法を試してみる

心理(精神)療法として、エクスポージャー(曝露)療法を試してみることもひとつの方法です。エクスポージャー(曝露)療法とは、不安にさらされていると次第に慣れていくことを利用した治療法のことを指します。

不安障害の治療によく使われる心理(精神)療法であり、パニック障害や社交不安障害など、不安の対象がはっきりしている病気に効果的です。具体的には、発作が起きた状況の中で最も不安の弱いものから実際に経験し、恐怖感がなくなるまで繰り返していきます。

しかし、エクスポージャー(曝露)療法は人によって合う・合わないがあります。そのため、医師に相談しながら試してみましょう。

STEP5:リラクゼーション技法を試してみる

エクスポージャー(曝露)療法が合わない場合には、リラクゼーション技法を試してみることがおすすめです。リラクゼーション技法とは、ストレスを軽減し、心身のリラックスを促進するテクニックのことです。

例として、深呼吸や自律訓練法・漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)などが挙げられます。自律訓練法とは、心療内科や精神科などで使われる一種の自己催眠法です。わずか数分で全身をリラックスさせることができ、心身の疲れを取ることができます。

漸進的筋弛緩法は、筋肉に力を込めたあと、その力を抜くことで感じる脱力感を元にしたリラクセーション技法です。リラクゼーション技法も人によって合う・合わないがあるため、まずは試してみてください。

スモールステップが大事です。小さな成功体験を積んで自信をつけていきましょう ^^

新見先生(新見正則医院 院長/飯田橋駅徒歩すぐ

まとめ

本記事では、パニック障害の治療法である薬物療法と心理(精神)療法を解説しました。パニック障害を治す際には、薬物療法と心理(精神)療法を組み合わせて治療していくのが一般的です。

「病院に行ったものの、改善しない」「薬が合わない」という方も落ち込む必要はありません。まずはパニック障害の症状が出たら、一度病院で診察してもらうようにしてください。

医師の指導のもと、薬物療法と心理(精神)療法に取り組んでパニック障害を治していきましょう。本記事があなたのお役に立てることを願っております。

なお、パニック障害・不安障害のお役立ち記事を配信している『ぱにらぼ』では、パニック障害専門コミュニティ『nicot+(ニコットプラス)』を運営しています。

「にこっとプラス」では、次のように参加者同士が症状への悩みや対処法といった情報を気軽に交換することができます。

「いきなりコミュニティに入るのはちょっと気が引ける…」と不安な方は、自宅や外出先で行える、薬に頼らず「食事」と「栄養」でパニック障害を克服する改善動画をご覧ください。

実際に、本動画を視聴した91%の方が症状の改善を実感しています。パニック障害を克服する効果的な改善方法を詳しく知りたい方は、ぜひ一度お試しください。

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