この記事では再発率も交え、不安障害がいつ治るのか、治療期間の目安を解説します。
- 不安障害の治療期間は6ヶ月〜1年が目安である
- 不安障害の再発率は約40〜45%前後である
- 不安障害の治療には薬物療法や認知行動療法などがある
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不安障害はどのくらいで治る?
不安障害の治療期間は、6ヶ月~1年程度が目安です。ただし、不安障害の種類や症状の重さ、自身の状態によって治療期間が左右されると考えておきましょう。
たとえば、パニック障害は1年以上薬物療法を継続すると、再発しにくい状態が目指せます。社交不安障害では、薬の効果が現れるまでに3ヶ月〜半年ほどの時間がかかります。その後も症状が安定するまで、さらに数年単位で服用を続けることもあるのです。
このように、不安障害の種類によって治療にかかる時間は異なるため、一人ひとりの状況によって治療期間は変わります。焦らずにじっくりと治療に取り組んでいきましょう。
すぐに治るケースもある

下記に当てはまる場合、不安障害はすぐに治るケースもあります。
- ストレスの原因が一時的かつ明確
- 適切な治療がすぐに始められる
たとえば、受験や転職などで強いストレスを感じても、原因が解消されれば不安が和らぐことがあるのです。
また、不安を感じ始めた段階で病院を受診し、適切な治療を開始できると症状が緩和します。強い不安を感じていて「不安障害かも?」と思っていたら、早めに病院を受診することが大切です。
不安障害がすぐに治った体験談を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

「完治」には2つの側面がある

不安障害における「完治」には、下記2つの側面があります。
- 症状の寛解(かんかい)
- 根本からの治癒
症状の寛解は、発作や強い不安感がほとんど現れなくなり、日常生活に支障がない状態です。多くの人がこの状態を「治った」と感じます。
根本からの治癒は、不安を引き起こす考え方や不安を感じやすい体質が変化し、長期的に再発するリスクが限りなく低い状態です。
症状が軽度・中度の不安障害であれば、認知行動療法や薬物療法などによって、数ヶ月~1年程度の治療で症状が寛解します。しかし、再発を繰り返しやすいタイプや、過去のトラウマや愛着不安といった複雑な背景があると、数年単位での支援が必要になることもあります。
上記を踏まえ、不安障害の原因をより詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。

不安障害の再発率は約40〜45%前後

不安障害の再発率は約40〜45%前後で、中央値では43%です。不安障害の種類別に見てみると、次のようになります。
- パニック障害:約30〜50%前後
- 全般性不安障害(GAD):約40〜60%程度
- 社交不安障害(SAD):約30〜50%程度
- 強迫性障害(OCD):約25〜40%
不安障害は比較的再発しやすい病気であり、その理由は3つです。
- 人との依存関係が深くなるほど、喪失や別離への恐怖が根付きやすい
- 一度「離れること=恐怖」という回路が形成されると、環境が変わったときに再燃しやすい
- 不安障害全般に共通するストレスに対する脆弱性が影響する

大切な人との関係が深まるほど「相手を失うのではないか」という不安が強くなり、再発の引き金になります。
過去の経験から「何かから離れること」に強い恐怖を感じるようになると、新しい環境で不安が強まるのです。
さらに、もともとストレスを感じやすい体質やストレスへの対処が苦手なケースでは、日常生活の中でストレスが溜まり、再発につながります。
再発のリスクを理解しておくと、症状が落ち着いた後も再発予防の対策を立てられるのです。
不安障害を治すには
ここからは不安障害を治すうえでおさえておきたい基礎知識を、3つにまとめて紹介します。
主な治療法

不安障害の主な治療法は、次の5種類に分けられます。
特徴 | どんな人におすすめか | |
---|---|---|
薬物療法 | 薬によって脳内の神経伝達物質のバランスを整え、 不安や緊張を和らげる治療法 | ・強い不安やパニック発作で日常生活に支障が出ている方 ・症状が重く、まずは速やかに症状を軽減したい方 |
認知行動療法(CBT) | 不安を引き起こす考え方のクセ(認知の歪み)に気づき、 修正していく心理療法 | ・不安の根本原因にある考え方や行動パターンを変えたい方 ・薬に頼らずに、自分の力で不安に対処できるようになりたい方 |
心理療法・カウンセリング | カウンセラーとの対話を通して、 不安の原因や背景にある心理的な問題を理解し、解決を目指す治療法 | ・不安の背景にあるトラウマや過去の経験と向き合いたい方 ・自分の気持ちや感情を整理し、理解を深めたい方 |
セルフケア(自分で治す) | 日常生活の中でリラックスできる時間を作ったり、 適度な運動を取り入れたりと自身で行う方法 | ・他の治療法と並行して、日常生活の質を高めたい方 ・自分でできることから積極的に取り組みたい方 |
栄養療法 | 特定の栄養素の不足が心の状態に影響を与えるという考え方に基づき、 食事の内容を見直すことで症状の緩和を目指す療法 | ・食生活の乱れが気になる方 ・食事を通して、心身のバランスを改善したい方 |
上記の治療法は単独だけでなく、組み合わせることもあります。薬物療法で症状を速やかに緩和させながら、認知行動療法で根本的な考え方や行動パターンを変えていく、といった組み合わせは有効です。
1つの治療法に固執してしまうと、他の側面からのアプローチが不足し、十分な効果が得られない可能性があります。たとえば、薬物療法だけに頼ってしまうと、症状が改善しても根本的な原因が解決されず、薬を減らした際に再発するリスクが高まるのです。
ご自身に合う治療法は1つとは限りません。医師やカウンセラーとよく相談し、さまざまな治療法を組み合わせながら、回復への道を見つけることが大切です。
なお、栄養不足が不安障害に与える影響をより詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。

完治を目指すポイント
前述した完治の側面(症状の寛解・根本からの治癒)を目指すポイントは次のとおりです。
寛解 | ・適切な治療を継続すること ・規則正しい生活習慣を確立すること |
根本からの治癒 | ・自身の思考パターンを深く理解し、柔軟に変えていくこと ・過去の経験や感情と向き合い、心理的な安定性を高めること |
寛解には医師やカウンセラーと連携しつつ、薬物療法や認知行動療法といった自身に合う治療法を続けることが大切です。質の高い睡眠やバランスの取れた食事、適度な運動は、精神的な安定に必要です。生活リズムを整えることは、不安の波立ちを穏やかにし回復を促進させます。
また、根本からの治癒には心理療法やカウンセリングなどを通して、より現実的でバランスの取れた考え方を身につけることが大切です。不安の根本にある未解決の感情や経験を探り受け入れることで、感情的な土台が強まり長期的な安定へとつながります。
「症状の寛解」は日々の生活を取り戻すための大切な第一歩であり、「根本からの治癒」は、より持続的な心の平穏を得るための最終的な目標です。この2つの側面を意識しながら、焦らず自身に合うペースで治療と向き合うことが、不安障害を乗り越えるための道筋となります。
再発を防止する方法

不安障害の再発防止には、次の方法が有効的です。
- 認知行動療法(CBT)などで離れる不安への耐性を高める
- 生活リズムとストレス対処法を維持する
- 予兆に早く気づく
認知行動療法は将来的な喪失や変化に対する過度な不安を和らげるため、安定した心の状態を保つために役立ちます。
規則正しい生活と適切なストレス解消法は、再発予防の1つです。心身のバランスを整え、ストレスによる心身への負担を減らします。
予兆には不安感や睡眠の乱れ、行動回避などがあります。症状が悪化する前に適切な対応を取り、再発を最小限に抑えましょう。
不安障害の再発を防ぐためには、治療で得た学びを日常生活に活かし、日々のケアを継続することが大切なのです。
不安障害が治る予兆・回復のサイン

不安障害が治る予兆や回復のサインとしては、次の4つが挙げられます。
- 不安を感じる頻度・強度が下がってきた
- 回避行動が減ってきた
- 発作が起きても「対応できる」感覚がある
- 不安があっても日常生活が送れている
不安を感じる頻度や強度が下がることは、脳の神経伝達物質のバランスが整い、心理的な安定感が増したことを示しています。また、回避行動が減ることも、不安に立ち向かう力がついた証拠です。
たとえば、以前は外出するだけで強い不安を感じていた方が、少しずつ近所の散歩を楽しめるようになります。また、人前で話すことに抵抗があった方が、会議で自分の意見を言えるようになるのは、回復の明確なサインといえます。
回復のサインに気づくことは、治療の継続へのモチベーションを高めるための励みとなるのです。
まとめ
不安障害の治療期間の目安は、6ヶ月~1年程度です。不安障害の治療には時間がかかることもありますが、適切な治療を続ければ症状は緩和します。
大切なのは、一人で悩まずに医師やカウンセラーのサポートを受けながら、諦めずに治療に取り組むことです。治療法にはいくつもの種類があるので、ご自身に合う治療法を医師に提案してもらいましょう。
もし今、不安な気持ちで押しつぶされそうになっていたら、まずは信頼できる人に相談してみてください。必要であれば病院への相談も検討し、医師やカウンセラーとともに一歩ずつ回復に向かって進んでいきましょう。