パニック障害に悩む人にはどんな言葉をかけてあげればいいんだろう?
安心感を感じやすい言葉とかがあるのかな?
身近な友人や家族からパニック障害を打ち明けられたり、一緒にいるときに発作が起きたりしたとき、どのような言葉をかければいいか、悩んだり迷ったりしたことはありませんか?
また、パニック発作で困った時に、周りの人に「こんな声かけをしてほしい」とあらかじめ伝えておきたい時もありますよね。
パニック障害は、つらさや不安感が周りの人に伝わりにくいため、身近な人の理解や優しい言葉が心の支えになります。
この記事では、家族や友人がパニック障害に悩んでいるときの接し方や声のかけ方、パニック障害に悩む人が安心した言葉 についてお伝えします。
- 「大丈夫だよ」といった言葉は、不安に思う相手の気持ちを否定することにつながる
- 「発作が起きると思うと心配で怖いよね」といった共感の言葉は心の支えになる
- 特別扱いせず、普段通りに接することも重要
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症状や状況に適したパニック障害の対処法をまとめて知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
→ パニック障害の対処法まとめ!症状・状況別にわかりやすく解説
新見正則医院院長。西洋薬を使わず、漢方など副作用や依存性の少ない方法で治療を行う。重症度の高いパニック障害の患者さんを多数、診察。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。『フローチャートメンタル漢方薬』など、著書多数。
パニック障害とは?
パニック障害に悩む友人や家族に寄り添うためにも、パニック障害について正しい理解を深めましょう。
主な症状
パニック障害とは、突然激しく動悸が起きたり、息苦しくなったりして「このままでは死んでしまうのではないか」「発作がおさまらなかったらどうしよう」と不安に思い、恐怖を感じる病気です。
パニック障害で発作が起きると、動悸や息苦しさ、呼吸困難などの症状が10〜30分ほど続きます。
また、発作が起きていないときも「またあの発作が起きるのではないか」と『予期不安』も引き起こすため、つねに不安がつきまうことも少なくなく、とてもつらいのが特徴です。
発症しやすい人の特徴
パニック障害は100人に2〜3人の割合で発症する身近にある病気です。決して、他人事ではありません。
不安や恐怖心が強い人、まじめで完璧主義な人、感受性が強い人などが発症しやすいといわれています。
発症することでの影響
パニック障害になると、日常生活にも大きな影響があります。
パニック障害に悩む人は、「また発作が起きるのではないか」「発作が起きて迷惑をかけたり、失敗をしたりしたらどうしよう」と不安な気持ちが高まり、外出ができなくなったり、人と会うことが怖くなったりするため、日常生活や社会活動に影響を及ぼしかねず、周囲の理解やサポートが大切です。
なお、いま感じている不安の正体を知りたい方は、下の動画も参考にしてください。
パニック障害の人がかけられて安心した7つの言葉
パニック障害に悩む人にとっては、家族や友人が一緒にいることで安心感が増し、不安や恐怖がやわらぎます。
ここからは、パニック障害の人がかけられて安心した言葉を、7つにまとめて紹介します。
- 不安な気持ちに共感して肯定する言葉
- 特別扱いをしない、普段と変わらない会話や言葉
- 病気に向き合い、がんばる気持ちに寄り添う言葉
- 発作や不安は迷惑ではないという言葉
- 頼っていいよ、1人じゃないよと寄り添う言葉
- 呼吸を落ち着かせる言葉
- もうすぐ良くなるという、希望を持てる言葉
1.不安な気持ちに共感して肯定する言葉
発作が起きるのではないかと不安な気持ちでいるときには、”不安感に共有する言葉” をかけるようにしましょう。相手を尊重し、共感や肯定する言葉をかけることで、1人じゃないという安心感が生まれます。
不安になっているときは、「大丈夫だよ」「気の持ちようだよ」「具合が悪いのは気のせいだよ、気持ちの問題だから気にしないように」など、励ます言葉や気持ちを切り替えられる言葉をかけたいと考えるかもしれません。
しかし、不安に思う気持ちを否定する言葉をかけられると、”不安感をわかってもらえなかった、否定された” と感じてしまいます。
不安な気持ちを打ち明けられたり、予期不安が起きたりしたら「不安が強くて苦しいよね」「発作が起きると心配で怖いよね」など、今の状況をそのまま受け入れる気持ちを現す言葉が心の支えになります。
2.特別扱いをしない、普段と変わらない会話や言葉
パニック障害は、”誰もがなる可能性がある、身近にある疾患”です。
病気だからといって特別扱いはしない、普段通りの声かけに相手は安心します。
パニック障害と聞くと「病気だから優しくした方がいいのではないか」「自分にはわからないからそっとしておこう」と考える人もいるかもしれません。
しかし、腫れ物に触るように接されると、かえって不安が増してしまいます。病気だからといって気負わずに、普段と変わらない接し方や会話を心がけましょう。
3.病気に向き合い、がんばる気持ちに寄り添う言葉
「頑張っているよね」「病気になって向き合っている、強くて優しい人だ」「無理して頑張っているのを知っているよ」など、不安と戦っていることをほめる言葉をかけてあげましょう。
パニック障害の発作は、たとえ、「発作が起きたとしても死ぬことはない」「そのうちおさまる」と理解していても、簡単に切り替えられるわけではありません。
辛抱強くまじめで、納得するまで努力する人は、発作が起きることに対して必要以上に自分を責めたり、苦しんだりしています。頑張ろうとする気持ちに寄り添う言葉が安心感につながります。
4.発作や不安は迷惑ではないという言葉
「迷惑じゃないよ」「遅刻しても大丈夫だよ」「焦らないで、ゆっくりでいいよ」と、発作や不安感を持っても迷惑ではないと言葉で示せば、パニック障害で悩む人も安心できます。
「発作が起きたらどうしよう」「一緒にいるときに発作が起きたら迷惑だから、人と会いたくない…」など、パニック障害に悩んでいる人は、人に迷惑をかけたくないとの気持ちが強く、人に会ったり、出かけたりできなくなる人も少なくありません。
「発作が起きて遅刻したり予定が変更になったりしても、気にしないでね」という気持ちを、言葉で伝えましょう。
5.頼っていいよ、1人じゃないよと寄り添う言葉
「つらいときは頼ってね」「1人で抱え込まないでね」と声をかけて、”悩みや不安を吐き出しやすい環境” を整えてあげましょう。
パニック障害に悩む人の中には、頑張り屋で自分を犠牲にする性格の人もいます。そのため、上手く「助けてほしい」と言ったり、自分の弱音を外に吐き出したりできない人も多いです。
パニック障害に悩む人にとって、友人や家族など身近な人がそばにいると安心感が生まれます。
「力になれることがあったらいつでも言ってね」「ひとりじゃないよ」と、そばにいることや助けたい気持ちを言葉に出して安心感を与えてあげることが大切です。
6.呼吸を落ち着かせる言葉
パニック障害が起きて、呼吸が苦しそうなときは、”呼吸が落ち着くような声かけ“で呼吸を戻してあげましょう。
パニック障害の発作が起きているときは、「このまま息が苦しくて死んでしまうのではないか」「自分を自分でコントロールできない恐怖」に襲われています。パニック発作が起きると『過呼吸』になり、息苦しくなって、さらに『動悸』が激しくなります。
「ゆっくり息を吸って」「ゆっくり息を吐いて、いち、に、さん」など呼吸のタイミングが取れるような声かけをおこない、背中をさすってあげて安心させてあげましょう。
また、呼吸が出来ているか不安に思うことも。「大丈夫だよ、上手にできてるよ」「焦らないで少しずつでいいよ」と、相手の不安感に寄り添う言葉もかけてあげられるといいでしょう。
7.もうすぐ良くなるという、希望を持てる言葉
パニック障害に悩む人は、みんな “先の見えない不安” と懸命に戦っています。「いつになったら、治るのか」「この発作はいつまで続くのか」と考えると不安ですよね。
「大丈夫だよ」「もうすぐ落ち着くよ」「よくなるからね〜」という、希望を持てる言葉があるだけで、不思議と安心できるようになります。
ぜひ、あわてず、希望を持てる言葉、安心できる言葉をかけてあげましょう。
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パニック障害の人に声かけする際の注意点
家族や友人の発作に、あわてたり、焦ったりすると、相手の “不安感” も増してしまいます。パニック障害の正しい対処法を知り、周囲の人と協力する気持ちが大切です。
ここからは、パニック障害の人に声かけする際の注意点を、2つにまとめて解説します。
- 発作が起きたら、前かがみの姿勢にさせてから声かけを行う
- 1人で支えようとせず、周りの友人や家族と協力する
注意点1:発作が起きたら、前かがみの姿勢にさせてから声かけを行う
一緒にいるときに、パニック発作が起きた場合は、前かがみの姿勢を促したり、その場に座らせたりして、相手が安心する声かけをしつつ、ゆっくりとした呼吸を促しましょう。
声かけだけでなく、”背中をさすったり手を握ったりする” と、あなたがそばにいてくれる安心感も増すでしょう。
発作は “10分から30分ほどでおさまる” ことがほとんどです。
あわてずに相手に寄り添って、発作が落ち着くのを待ちましょう。
注意点2:1人で支えようとせず、周りの友人や家族と協力する
パニック障害は、治療に半年以上の長い期間がかかる場合が多いです。自分だけで支えようとすると、自分が疲れたり体調を崩したりしかねません。
同居の家族や身近な友人、医師などの専門家と “協力してサポート” をするようにしましょう。
パニック障害で苦しいのは、本人だけではありません。家族や友人、同僚が苦しんでいる姿を見て、周りの人も同じように悩んだり、心を痛めたりするので、1人で抱え込まず、みんなで協力してサポート体制を作っていきましょう ^ ^
新見先生(新見正則医院/飯田橋駅徒歩すぐ)
まとめ:寄り添う気持ちで安心する言葉をかけてあげよう
パニック障害に悩む人は、“共感” や “頑張る気持ちに寄りそう言葉” 、”ありのままを認める言葉” をかけられると安心できるようになっていきます。
「つらいよね、苦しいよね」「頑張ってるね」「焦らなくて大丈夫だよ」などの声かけをしながら、背中をさすったり手を握ったりして、気持ちを落ち着かせてあげましょう。
パニック障害は、周りの人の小さな行動や思いやる言葉が安心感につながります。
愛情と言葉で支えてあげてくださいね。
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