この記事では予防法も交え、人混みでパニック障害が出た時の対処法を解説します。
パニック障害に悩む方の中には、人混みに対して不安を感じる方も多いのではないでしょうか。人混みはパニック障害でなくても苦手と感じる人が多いため、パニック障害に悩む方はより不安ですよね。
しかし、人混みは日常生活を送る上で避けられないこともあります。そんな時、「人混みでパニック症状が出て、周りに迷惑をかけたらどうしよう」と心配になってしまうこともあるでしょう。
そこで、本記事では次の症状別に人混みでパニック障害が起きた時の対処法を解説します。
対処法がわかっていれば、万が一人混みを避けられなかったとしても、落ち着いて対処できます。人混みでパニック障害に陥らない予防策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 人混みでパニック発作が出た際はまず人が少ない場所へ避難しよう
- 症状への対処には人混みになれる訓練をするのも効果的
- 訓練時でも土日や祝日の外出は控えるのが吉
なお、不安・パニック障害に悩む7万人の方が参加するオンラインコミュニティ「にこっとプラス」では、薬に頼らず「食事」と「栄養」でパニック障害を克服する改善動画を無料で配布しています。
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新見正則医院院長。西洋薬を使わず、漢方など副作用や依存性の少ない方法で治療を行う。重症度の高いパニック障害の患者さんを多数、診察。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。『フローチャートメンタル漢方薬』など、著書多数。
症状や状況に適したパニック障害の対処法をまとめて知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
→ パニック障害の対処法まとめ!症状・状況別にわかりやすく解説
人混みでパニック発作が出た際の対処法
さっそく、人混みでパニック発作が出た際の対処法を、6つのステップにまとめて紹介します。
- STEP1:人の少ない場所へ移動する
- STEP2:椅子に座るあるいはしゃがむ
- STEP3:気持ちを落ち着かせながら深呼吸する
- STEP4:注視できるものを見つけ集中する
- STEP5:「すぐに過ぎ去る」「大丈夫」と自分に言い聞かせる
- STEP6:家族や友人とコミュニケーションを取る
人混みでパニック発作が出た時の対処法は下の動画でも詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。
STEP1:人の少ない場所へ移動する
まず、人混みでパニック発作が出た際は、人の少ない安全な場所へ移動しましょう。人混みに居続けると、周りからどう思われているのかであったり、周囲の音がいつも以上に気になってしまいます。
精神的につらくなり、余計な症状が悪化してしまう可能性があるため、人の少ない安全な場所へ避難しましょう。人の少ない場所へ行けば、それだけで気持ちが少し楽になります。また、他の対処法を行う余裕も生まれるでしょう。
人混みでパニック発作が出た際には、その場で対処法を行うのではなく、人の少ない安全な場所へ移動することを最優先にしてください。
STEP2:椅子に座るあるいはしゃがむ
人の少ない場所へ移動したら、椅子や座れるところがあれば座りましょう。椅子などがなくても、安全な場所でしゃがみ、体勢を低くすることが大切です。
座った方が力を抜くことができ、安心感を感じることができます。比較的落ち着きやすく、症状を緩和させることにつながります。
また、パニック発作により、めまいやふらつきの症状が出現する可能性があるため、自分自身の安全を守りましょう。体勢を低くすることで、転倒による外傷などの二次被害を避けることができます。
安全なところに座る、あるいはしゃがみ、体勢を低くしてから他の対処法に取り組むようにしましょう。
STEP3:気持ちを落ち着かせながら深呼吸する
周囲と自分自身の安全が確保できたら、呼吸を落ち着かせましょう。
パニック発作の代表的な症状として、突発的な激しい不安に加え、動悸や息苦しさがあげられます。そのため、無意識のうちに呼吸が浅くなりがちです。
呼吸が浅い状態だと、息苦しさを感じ、とっさに「死んでしまう」という危機感を持ちます。そこから、さらに不安が増強してしまうため、気持ちを落ち着かせながら深呼吸することが大切です。
深呼吸をする際には息を吸って吐く間に「息を止める時間」を作ってみてください。息を止める時間を作ることで息の吸いすぎを防ぎ、過呼吸発作を抑えることができます。
もし、息を止める時間を作ることが困難な場合は、息を吐き切ることを意識してみましょう。それだけでも呼吸のリズムは安定してきます。
浅くなった呼吸が元に戻れば心拍数や血圧が下がるため、少しずつ気持ちが落ち着いてくるでしょう。
STEP4:注視できるものを見つけ集中する
人混みでパニック発作が出た際には、注視できるものを見つけ集中することも対処法のひとつです。深呼吸の際に注視できるものを見つけることで、意識を不安な感情から遠ざけることができます。
注視するものは何でも問題ありません。建物や看板、空を飛ぶ飛行機など、周囲を見て何かないか探してみましょう。
注視できるものが見つからない場合には、道行く人のバッグや服の色を確認することもおすすめの方法です。意識が五感に集中することで、少しずつ不安な感情が薄れていき、気持ちが楽になっていくでしょう。
STEP5:「すぐに過ぎ去る」「大丈夫」と自分に言い聞かせる
パニック発作が出ている間は、「すぐに過ぎ去る」「大丈夫」と自分に言い聞かせるようにしましょう。基本的には、パニック発作は数分で収まります。
発作の苦しみや恐怖は非常に強いものであることは間違いありません。ただ、パニック発作で死ぬことはないので、「すぐに過ぎ去る」「大丈夫」と自分に言い聞かせてください。
良くも悪くも思い込みの力は絶大です。「大丈夫」と言い聞かせることで、本当に大丈夫になってくることもあります。思い込みの力を良い方に使えるように意識してみてください。
STEP6:家族や友人とコミュニケーションを取る
1~5のステップを実践して気持ちが少し落ち着いてきたら、家族や友人とコミュニケーションを取ってみてください。信頼できる相手とつながることで、より安心感を感じられます。
今の現状を伝えて、状況を整理してみましょう。また、可能であれば気持ちが落ち着くまで一緒に話してもらうことがおすすめです。
話していくうちに、いつの間にか気持ちが楽になります。会話に集中することができれば、自然と不安な感情は薄れていく可能性があります。
周囲の人に助けてもらいながら、パニック発作を乗り越えていきましょう。なお、次の記事では原因や予防策も交え、パニック発作が出た際の対処法を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
人混みを見て予期不安が出た時の対処法
いざ人混みを見ると不安な気持ちになりますよね。人混みを見て予期不安の症状が出た際には、次の2つの対処法を試してみてください。
- 一度立ち止まって気持ちを落ち着かせる
- 冷たい水やお茶を飲む
人混みを見て予期不安の症状が出たら、わざわざ無理する必要はありません。一度立ち止まって、気持ちを落ち着かせてみてください。
その際には、冷たい水やお茶を飲んでみるのもおすすめです。冷たい水やお茶を飲むことで緊張や不安が和らぐことがあります。
また、冷たい飲み物を首元に当ててみてください。ひやっとした感覚が意識をはっきりさせてくれるため、気持ちのコントロールがしやすくなります。対処しても症状が改善しない場合には無理せず休んだり、その日は人混みを避けるようにしましょう。
なお、予期不安の対処法をより詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
→ パニック障害で予期不安の症状が出た際の対処法!原因や予防策も紹介
パニック障害で不安になる原因を詳しく知りたい人は、下の動画も参考にしてください。
人混みで広場恐怖が出た時の対処法
人混みは多くの人があらゆる方向に向かって進んでいるため、逃げづらく不安を感じる方も多いでしょう。どんな人がいるのかもわからないため、広場恐怖の症状が出てしまうこともありますよね。
人混みで広場恐怖の症状が出た際には、次の2つの対処法を試してみてください。
- リラックスできる音楽を聴く
- 何か注視できるものを見つける
人混みで広場恐怖の症状が出た際には、自分が人混みにいるということを意識しないことが大切です。そのため、リラックスできる音楽を聴いたり、何か注視できるものを見つけることで気を逸らしましょう。
音楽を聴く際には、自分の好きな音楽でも問題ありませんが、波の音や虫の音のような歌詞のない音楽がおすすめです。ぜひ試してみてください。
パニック障害の改善法をより詳しく知りたい人は次の動画を参考にしてください。
なお、不安・パニック障害に悩む7万人の方が参加するオンラインコミュニティ「にこっとプラス」では自宅や外出先で行える、薬に頼らず「食事」と「栄養」でパニック障害を克服する改善動画を無料配布しています。
実際に、本動画を視聴した91%の方が症状の改善を実感しています。パニック障害を克服する効果的な改善方法を詳しく知りたい方は、ぜひ一度お試しください。
人混みでパニック障害に陥らない予防策
ここからは、人混みでパニック障害に陥らない予防策を、5つにまとめて紹介します。
- 土日や祝日の外出は控える
- 飲み物を買っておく
- 日頃から規則正しい生活を送る
- 人混みになれる練習をする
- 医師から処方された薬を持ち歩く
予防策を事前に把握しておけば、万全の状態で人混みにチャレンジできます。それぞれ詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
予防策1:土日や祝日の外出は控える
1つ目の予防策は、土日や祝日の外出を控えることです。土日や祝日は、仕事が休みの人が多いことから、平日よりも人混みが多く発生します。
普段空いている場所でも人混みになっている可能性があるため、土日や祝日の外出は控えるようにしましょう。どうしても外出しなくてはならない場合には、外出する時間を工夫することが大切です。
駅やショッピングモールのような施設であれば、ネットで混雑状況を調べることができます。事前に調査しておくことで人混みを回避できるので、人混みを避ける工夫をしていきましょう。
予防策2:飲み物を買っておく
2つ目の予防策は、飲み物を買っておくことです。人混みで不安な感情が大きくなったら、冷たい水やお茶を飲んで気持ちを落ち着かせましょう。
飲み物を飲むことで気持ちがリセットされ、不安な気持ちが和らぐことがあります。もちろん、冷たい飲み物ではなく、温かい飲み物でも問題ありません。
温かい飲み物の場合は、ハーブティーのようなリラックス効果のあるものがおすすめです。用意が難しい場合には、ココアや緑茶などでも効果が期待できます。
飲み物の温度や味、香りなど、自分自身が落ち着くと感じる飲み物を用意しておきましょう。
ただし、炭酸飲料やカフェイン類、アルコールなどの刺激物は、パニック発作を引き起こす原因となる可能性があるため避けてください。
次の記事では、パニック障害の人におすすめの飲み物について紹介しているので、あわせて参考にしてください。
→ パニック障害に効くおすすめの飲み物!効果やNG飲料も紹介
予防策3:日頃から規則正しい生活を送る
3つ目の予防策は、日頃から規則正しい生活を送ることです。
毎日の食事時間や睡眠時間、寝る時間帯などに気を付けることで、生活リズムを整えることができます。規則正しい生活を送ることは自律神経を整えることにつながります。
パニック発作の症状には自律神経症状が多くあげられるため、日頃から自律神経を整えておくことが大切です。
また、パニック障害の要因としてあげられるストレスの軽減にもつながります。毎日同じ時間に食事をしたり、寝るように心がけましょう。
次の記事では、規則正しい生活に重要な睡眠の質を高めるポイントを解説しているので、あわせて参考にしてください。
→ パニック障害の睡眠ガイド!寝不足の原因や安眠のコツも紹介
予防策4:人混みに慣れる練習をする
3つ目の予防策は、人混みに慣れる練習をすることです。人混みはパニック障害ではない人でも苦手と感じていることが多く、すぐに克服できるようなものではありません。
そのため、少しずつ練習をして人混みに慣れるようにしていきましょう。実際に「にこっとプラス」の会員さんのなかには、練習したことで人混みでも不安にならなかったという方も多くいます。
渋谷駅に到着した時、さすがに人の多さにザワザワしました。周りの音がやたらと聞こえてくる感覚があり、少し緊張が走りました。ここにいる間、ずっとこんな状態なのか?と不安が出てきました。
不安・パニック障害専門のオンラインサポートコミュニティ「nico+(にこっとプラス)」
が、しばらくすると周りの音に慣れていく感覚があり、やたらと聞こえていた音が気にならなくなっていきました。すると不安がサーっと消えていきました。
→結果、人混みは苦手だけど慣れる(笑)
最初は誰かに手伝ってもらいながら、少しずつ練習していくことが何より大切です。無理のない範囲でチャレンジしてみてください。
また、周りにパニック障害について話せる人がいないと悩んでいる方は不安・パニック障害に悩む7万人の方が参加する、不安パニック専門のオンラインサポートコミュニティ「nicot+(にこっとプラス)」にご参加ください。
とはいえ、周りにパニック障害について話せる人がいないと悩んでいる方もいますよね。そんな方は、不安・パニック障害に悩む7万人の方が参加する、不安パニック専門のオンラインサポートコミュニティ「nicot+(にこっとプラス)」にご参加ください。
「にこっとプラス」では、次のように参加者同士が症状への悩みや対処法といった情報を気軽に交換することができます。
「いきなりコミュニティに入るのはちょっと気が引ける…」と不安な方は、自宅や外出先で行える、薬に頼らず「食事」と「栄養」でパニック障害を克服する改善動画をご覧ください。
実際に、本動画を視聴した91%の方が症状の改善を実感しています。パニック障害を克服する効果的な改善方法を詳しく知りたい方は、ぜひ一度お試しください。
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予防策5:医師から処方された薬を持ち歩く
5つ目の予防策は、医師から処方された薬を持ち歩くことです。パニック障害に対する処方薬を持ち歩くことで、「パニック発作が起きても大丈夫」と安心して外出できるようになります。
持ち歩くものは市販薬ではなく、受診して医師から処方された薬を持ち歩くのが賢明です。医師への相談なしに市販薬を服用すると、症状が悪化する危険性や、副作用でより苦しむ可能性があります。
実際に服用する際は、必ず医師の指示を守るようにしてください。ただし、薬に頼りすぎてしまうと症状の改善が遅くなってしまうこともあります。あくまで最終手段と考えるようにしましょう。
なお、本メディア「ぱにらぼ」の監修を努める新見先生の「新見正則医院」では、パニック障害の症状をヒアリングしたうえで、適切な処方が受けられます。専門の主治医が決まっていない方は、この機に一度ご受診ください。
次の記事では、パニック障害に効く薬を作用・副作用を含め解説しているので、あわせて参考にしてください。
→ パニック障害に効く薬とは?共通点や効果的な服用方法も紹介
人混みでのパニック障害によくある悩み
最後に、人混みでのパニック障害によくある悩みについてまとめて紹介します。
- 人混みで発作が生じやすいタイミングはある?
- 人混みで家族や友人が発作を起こした時はどうすればいい?
人混みで発作が生じやすいタイミングはある?
パニック発作は、人混みにいると感じ始めるタイミングに起こりやすいです。さらに、人混みで逃げ出せない空間に行くタイミングなどにも起こりやすい傾向にあります。
ただし、パニック発作を起こすタイミングには、個人差があることを理解しておきましょう。考えすぎると、これまでパニック発作が出なかったタイミングでも引き起こしてしまう可能性があります。
気持ちを落ち着かせる方法や人混みを感じにくくする工夫を実践してみてください。
たとえば、音楽を聴いたり飲み物を飲んで気持ちを落ち着かせたりすることがおすすめです。自分が人混みにいると感じないような工夫をすることで、パニック発作が起こりにくくなります。
人混みで家族や友人が発作を起こした時はどうすればいい?
人混みで家族や友人が発作を起こした際は、優しく声をかけてあげましょう。
パニック障害は周りから理解されにくいため、相手を尊重し、共感や肯定する言葉をかけてあげてください。「発作が起きると心配で怖いよね」というような、状況を受け入れ、共感する言葉が心の支えになります。
そして優しい声かけと共に、パニック発作を落ち着かせるために深呼吸を促すようにしましょう。「吸って~吐いて〜」と呼吸を誘導するよう声をかけてあげてください。そうすることで、発作を起こした人は呼吸に集中することができます。
周りの人のサポートで、パニック障害の人を少しでも助けることができます。次の記事では、パニック障害の人に言ってはいけない言葉ややってはいけないことを紹介しているので、あわせて参考にしてください。
→ パニック障害の人に言ってはいけない言葉とは?NGな接し方も紹介
まとめ
本記事では、人混みでパニック発作が起きた際の対処法や予防策について解説しました。人混みは日常生活を送る上で、どうしても避けられないこともあります。
そのため、本記事で紹介した対処法や予防策を参考にして、いざという時に落ち着いて対処できるようにしておきましょう。また、パニック障害は周囲の人の理解が何よりも重要です。
身近にパニック発作に悩んでいる方がいる場合には、発作が起きた際に相手を尊重して共感や肯定する言葉をかけてあげてください。助け合いながら、人混みを克服できるようにしていきましょう。
本記事はあなたのお役に立てることを願っております。また、以下の記事では、旅先でパニック障害が起きた時の対処法について解説しています。目的地に到着した後に、安心して過ごすためにもぜひ参考にしてください。
→ パニック障害で旅行に行けない時の対処法!予防策も紹介【症状別】