この記事では摂取量の目安や離れ方も交え、パニック障害にアルコールが良くない理由を解説します。
アルコールはパニック障害によくないの?
どれくらいならアルコールを摂取してもいいんだろう…
このまま一生アルコールが飲めなくなるのは嫌だな…
「パニック障害にアルコールは良くない」そんな噂を聞き、このままお酒を飲んでいて大丈夫なのか、心配している方は多いですよね。
結論、アルコールはパニック症状を誘発するため、普段から摂取を控えるのが賢明です。
そこで、本記事ではなぜアルコールの摂取がパニック障害を引き起こすのか、その理由を適切な1日の摂取量も交えわかりやすく解説します。控えるべき食べ物や飲み物、アルコールから離れる方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- アルコールは酔いが冷めた後で不安感を強めることがある
- 1日20g未満(ビール中瓶1本以下)におさえるのが賢明
- 減酒・禁酒は日々の飲酒量を把握することから始めよう
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症状や状況に適したパニック障害の対処法をまとめて知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
→ パニック障害の対処法まとめ!症状・状況別にわかりやすく解説
アルコール摂取はパニック障害の発症・悪化につながる
前述したとおり、アルコールの摂取はパニック障害の発症・悪化につながります。
本来、アルコールには緊張をほぐし、不安感を和らげる効果があります。しかし、アルコールによる効果は一時的なものであり、酔いが覚めると以前よりも強い不安を感じてしまいます。結果的に、不安感が強くなりパニック障害の発作を引き起こすことも少なくありません。
また、アルコールを摂取することで治療薬の効果に作用してしまうといった問題もあります。治療薬の効果が薄れることで不安を強く感じるようになり、パニック障害の発作を引き起こすリスクも否定できません。
実際に「にこっとプラス」の会員さんのなかには、アルコールがパニック障害を発症するきっかけになったという方がいます。
自分も発症のきっかけがアルコールだったので今は禁酒生活です。好きなアルコールでこうなってしまったと考えると悲しくなりますね。
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上記のことからもわかるように、アルコール摂取はパニック障害の発症・悪化につながるため注意が必要です。
パニック障害で不安になる原因を詳しく知りたい人は、下の動画も参考にしてください。
1日20g以上のアルコール摂取は黄色信号
厚生労働省が発表している情報から、1日20g以上のアルコール摂取は健康リスクを高めるとされています。アルコールの体や精神に対する影響は、飲んだお酒の量ではなく、摂取した純アルコール量が基準となります。
純アルコール量とは、酒に含まれるアルコールの量のことです。 厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を1日の平均純アルコール摂取量で男性は40g以上、女性は20g以上としています。
下表に、お酒の種類別で20gの純アルコール量の目安をまとめましたので、参考にしてください。
お酒の種類 | 適切な飲酒の目安(純アルコール20g/日) |
---|---|
ビール(5%) | 中瓶1本(500ml) |
酎ハイ(7%) | 1缶(350ml) |
ワイン(14%) | グラス1.5杯(180ml) |
日本酒(15%) | 1合(180ml) |
ウィスキー ブランデー(43%) | ダブル(60ml) |
焼酎(35度)を1合(180ml)飲む場合は、純アルコール量が50gになるため注意が必要です。
また、習慣的なアルコールの摂取は依存症につながるリスクがあります。依存症になるとパニック障害の悪化を招くため、上記の表を参考に1日20g以上のアルコール摂取は控えるようにしましょう。
発症・悪化の誘発には個人差がある
ここまで解説してきたとおり、過剰なアルコールの摂取がパニック障害を持つ方に良い影響を与えることはありません。ただし、パニック障害の発症や悪化の誘発には個人差があります。
つまり、1日の純アルコール摂取量が20gを超えても発症・悪化しない人もいれば、20g以内で発症・悪化する人もいるということです。
とくに、高齢の方や20代の方はアルコールの影響が強く出やすいとされています。また、男性よりも女性の方が体内の水分量が少なく、アルコールの影響が出やすいと言われています。
パニック障害が発症・悪化してからでは遅いため、なるべく普段からアルコールを控えるようにしましょう。
発症中はアルコール摂取を控えるのが吉
20gという摂取量を守れば、大事に至る可能性は低いと言えますが、パニック障害の発症中は、アルコールの摂取を控えるのが賢明です。アルコールを摂取すること自体が不安を強くするトリガーになるためです。
一時的に不安感を和らげるためにアルコールを摂取したとしても、酔いが覚めたら不安感は強くなります。再び不安感を和らげるためにアルコールを摂取すると、もっと強い不安感に襲われるという悪循環が起こります。
悪循環に入るとパニック障害が悪化し、克服するのに長い時間が必要になるため注意が必要です。しかし、今後一生お酒が飲めないわけではありません。
パニック障害を克服すれば飲めるようになるため、早期に克服するためにも発症中はアルコール摂取を控えるようにしましょう。
アルコールが多く含まれる主な食べ物・飲み物
「アルコールは摂取しないようにしよう」そう心がけたとしても、アルコールが含まれているかがわからなければ、避けるのは難しいですよね。
アルコールが多く含まれる主な食べ物・飲み物は次の4つです。過剰に摂取しないよう、気をつけましょう。
- お酒
- 栄養ドリンク
- 洋菓子
- 漬物
薬局に並ぶ栄養ドリンクには、アルコール度数が1%を超えるものが多くあるため注意が必要です。医薬品だからといって頻繁に摂取していると、パニック障害の発症・悪化を引き起こすことになりかねません。
また、洋菓子や漬物には「工業用アルコール」と呼ばれる、防腐剤や香料として使用されているアルコールが含まれています。特に、次のような洋菓子には注意が必要です。
詳細 | |
---|---|
フルーツケーキ | ラム酒やブランデーが加えられていることがある |
ティラミス | コーヒーとマルサラ酒を使用 |
チョコレート | ラムやリキュールが含まれたチョコレートがある |
ソースやマリネ | 料理の下味や風味を引き立てるためにワインやビールを使うことがある(例:ワインソース、ビール煮) |
パウンドケーキ | ラム酒やブランデーが加えられることがある |
上記の食べ物にアルコールが含まれていることがあります。パニック障害のトリガー(引き金)にならないためにも、どのような食べ物にアルコールが使用されているのか知ることも大切です。
パニック障害を持つ人がアルコールを摂取する弊害
ここからは、アルコールを摂取することの弊害を、2つにまとめて紹介します。
- 薬の副作用のリスクが高まる
- 睡眠の質が低下する
薬の副作用のリスクが高まる
アルコールの摂取には、薬の副作用のリスクが高まるという弊害があります。パニック障害の治療薬である抗不安薬は、アルコールと一緒に飲むと薬の効果が必要以上に強められてしまう特徴があります。
そして、薬の効果が強すぎると副作用のリスクが高まる弊害が生じるのです。例えば、予測しないような副作用として、意識が朦朧としたり、自分をコントロールできなくなることなどが挙げられます。
また、アルコールを常習的に摂取している人とそうでない人では、アルコールの影響が異なるということにも注意が必要です。
常習的にアルコールを摂取している人は、肝臓の代謝が活性化されており、薬も代謝されやすくなります。そのため、抗不安薬を飲んでも通常より効果が弱まってしまうのです。
逆にアルコール摂取が控えめの人は、薬の効果が強すぎる場合があります。薬とアルコールを併用すると肝臓での代謝が競合して、普段より代謝されにくくなります。
その結果、両方の血中濃度が高いままになり、副作用が強く出てしまうのです。
睡眠の質が低下する
アルコールの摂取は、睡眠の質が低下すると言われています。身近にアルコールを摂取できるのがお酒ですが、寝つきが悪いときについお酒を口にしてしまうことがあるかもしれません。お酒を飲むと寝つきが良くなるイメージがありますよね。
しかし、長期的な飲酒は睡眠に悪影響を与え、眠りが浅くなったり朝も早く目覚めやすくなったりと十分な睡眠の確保が難しくなります。そうなると、不眠解消のためにお酒を飲み、睡眠の質が下がるといった悪循環になりかねません。
さらに、お酒を飲んでも眠れない不安からパニック発作を起こす可能性があります。長期的な飲酒は、睡眠の質の低下に加えて、アルコール中毒の発症に関わるので注意が必要です。
なお、下の記事では不安で眠れない時の対処法を紹介しているので、あわせて参考にしてください。
無理なく実践できるアルコールからの離れ方
アルコールがパニック障害の症状悪化につながるとわかっていても、やめられるイメージが湧かない方もいますよね。
そこで、ここからは無理なく実践できるアルコールからの離れ方を、7つのステップにまとめて解説します。
- STEP1:日々の飲酒量を把握する
- STEP2:パニック障害やアルコールへの知見を増やす
- STEP3:現実的な減酒・禁酒目標を定める
- STEP4:飲酒の誘因を減らす
- STEP5:飲酒の代わりになる趣味や活動を見つける
- STEP6:摂取した際は記録を残す
- STEP7:改善が見込めない場合は医師に診てもらう
今までお酒を多く飲んでいた方が、いきなりアルコールをやめることは難しいでしょう。そのため、徐々にやめられるようにしていくことが大切です。
なお、本解説は厚生労働省の「アルコール健康障害対策」を参考にしています。
STEP1:日々の飲酒量を把握する
まずは、自分が普段どれだけのアルコールを摂取しているのか、日々の飲酒量を把握することが大切です。日々の飲酒量を把握することで、具体的なアルコールをやめるまでの目標を立てられるようになります。
また、厚生労働省の発表している1日20gの基準と日々の飲酒量の差を明確にできれば、意識の改善にもつながるでしょう。パニック障害の克服のためにアルコールをやめるには、まずは現状をしっかりと把握することが大切です。
STEP2:パニック障害やアルコールへの知見を増やす
パニック障害やアルコールへの知見を増やすことも、アルコールから離れるためにはとても大切です。先述したとおり、アルコールはお酒以外の洋菓子や栄養ドリンク、漬物などにも含まれています。
そのため、パニック障害やアルコールの知見がないと知らないうちにアルコールを摂取してしまい、症状の悪化に繋がりかねません。症状が悪化すれば、今よりもさらにつらい思いをすることもあります。
意識的にパニック障害やアルコールへの知見を増やすことが重要です。
なお、不安・パニック障害に悩む7万人の方が参加するオンラインコミュニティ「にこっとプラス」では自宅や外出先で行える、薬に頼らず「食事」と「栄養」でパニック障害を克服する改善動画を無料配布しています。
実際に、本動画を視聴した91%の方が症状の改善を実感しています。パニック障害を克服する効果的な改善方法を詳しく知りたい方は、ぜひ一度お試しください。
STEP3:現実的な減酒・禁酒目標を定める
日々の飲酒量を把握し、パニック障害やアルコールへの知見を増やせたら、現実的な減酒・禁酒目標を定めましょう。目標設定は、無理しすぎることなく、あなたが7〜8割の力で達成可能な目標を立てることが大切です。
目標の立て方としては、次の3つを参考にしてください。
- 休肝日を作る
- 1日のアルコール摂取量を〇gまでにする
- 1週間のアルコール摂取量を〇gまでにする
目標が達成できたら、少しずつ目標の数値を高く設定していきましょう。無理をしすぎてストレスを感じることにならないように、自分に合った目標を立てるようにしてください。
STEP4:飲酒の誘因を減らす
飲酒の誘因を減らすことも、アルコールから離れるためには重要です。飲酒のきっかけがなければ、飲酒したい気持ちが起こりにくくなり、アルコールから離れやすくなります。
例えば、自宅にお酒を置かないようにしたり、お酒を飲まないことを周囲に伝えたりするといった方法が効果的です。また、お酒を飲む場所に近づかないようにすることも大切です。
外食する際には居酒屋などは避けるようにして、お酒がない場所で食事することを習慣づけるようにしてみましょう。
STEP5:飲酒の代わりになる趣味や活動を見つける
飲酒の代わりになる趣味や活動を見つけることは、無理なくアルコールから離れるのに非常に効果的です。運動や読書、料理など、新しい趣味を見つけてみましょう。
とくに、定期的な運動はパニック障害の克服に効果的なためおすすめです。厚生労働省が発表している情報によると、適度な運動はメンタルヘルスや生活の質の改善に効果があるとされています。
実際に「運動」には癒し効果があり、ある研究では運動によってパニック発作の重症度が40%低下したという報告もあります。もちろん、飲酒の代わりになる趣味や活動は運動以外でも問題ありません。
お酒を飲みたいという気持ちから意識を逸らせる何かを見つけることが大切です。
STEP6:摂取した際は記録を残す
アルコールを摂取した際は、きちんと記録を残しておくことも大切です。記録を残しておくことで、自分の飲酒量を客観的に把握することができます。
また、いつどんな時にどの程度飲んだのかを把握することで、自分がお酒を飲みたくなる状況やきっかけが明確になります。自分がお酒を飲みたくなる状況やきっかけが明確になれば事前に対策が打てるため、無理なくアルコールから離れやすくなるでしょう。
さらに、記録した内容を誰かに共有しておくこともおすすめです。自分1人だけではなく、周囲と一緒に取り組んでいるという意識を持つことができるため、アルコールから離れやすくなります。
STEP7:改善が見込めない場合は医師に診てもらう
ステップ1〜6の内容を実践しても改善できない場合は、医師が処方する薬物療法を受けるのもひとつの方法です。アルコールは自分の意思のみでの克服が難しく、専門家の支援を受けることが必要な場合があります。
改善が見込めないと感じたら、専門の医師や心理カウンセラーに相談して個別に適切な診断や治療を受けるようにしましょう。
なお、本メディア「ぱにらぼ」の監修を務める新見先生の「新見正則医院」では、パニック障害の症状をヒアリングしたうえで、適切な処方が受けられます。専門の主治医が決まっていない方は、この機に一度ご受診ください。
アルコール摂取が我慢できない時の対処法
アルコール摂取が我慢できない時の対処法は、お酒でない別の飲み物を試してみることです。なぜなら、喉の渇きやリラックスしたい気持ちがアルコールへの欲を強めていることがあるからです。
例えば、のどの渇きを潤すなら水や飲料水、リラックス効果を求めるならハーブティーがおすすめです。それでも、アルコール摂取が我慢できないようなら、ノンアルコールビールやノンアルコールカクテルなどを活用してみましょう。
パニック障害とアルコールにまつわるFAQ
最後に、パニック障害とアルコールによくある疑問へまとめて回答します。
- アルコールの他にパニック障害へ良くないものはありますか?
- パニック障害に効く飲み物はありますか?
アルコールの他にパニック障害へ良くないものはありますか?
アルコール以外にも、次の食べ物の過剰摂取はパニック障害に良くないです。
- カフェインを含む食べ物
- 糖分の多い食べ物
- 精製された炭水化物
- 添加物や保存料を含む加工食品
- グルテンを含む食べ物
カフェインは、アルコールと同様にパニック障害の症状を悪化させてしまう可能性があるため控えるようにしましょう。なぜなら、カフェインには交感神経を刺激する作用があり、それによりパニック発作を誘発するためです。
また、糖分の多い食べ物やグルテンを含む食べ物は自律神経が乱れる原因となり、パニック発作を引き起こしやすくなります。食生活によってパニック障害は改善されることもあれば、悪化することもあります。
そのため、上記で紹介したパニック障害に良くないものはなるべく食べないようにしましょう。
なお、パニック障害に良くないものをより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
→ パニック障害を持つ人が食べてはいけないもの!食生活の整え方も紹介
パニック障害に効く飲み物はありますか?
パニック障害に効く飲み物としては、次の4つがおすすめです。
- ハーブティー
- ホットミルク
- アーモンドミルク
- ジンジャーティー
パニック障害に悩む方は、リラックス効果のある飲み物を飲むことがおすすめです。ハーブティーはリラクゼーション効果があり、パニック障害の改善に役立つ代表的な飲み物です。
また、自律神経のバランスを整える作用があり、疲労回復や食欲調整、運動能力の向上などの幅広い効果が期待できます。他にも、ホットミルクやアーモンドミルクには、腸内環境を整える作用があります。
どれもパニック障害による不安な気持ちを和らげてくれるため、ぜひ試してみましょう。
なお、パニック障害に効く飲み物や食べ物をより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
まとめ
本記事では、アルコールの摂取がパニック障害を引き起こす理由やアルコールから離れる方法を紹介しました。アルコールはパニック障害を発症・悪化させるリスクのあるものです。
摂取しすぎると今よりもつらい思いをする可能性があるため、意識的に控えるようにしましょう。アルコールを控えることがどうしても難しいという場合には、一度病院で診察してもらうことをおすすめします。
パニック障害を克服するためにも、悪化する前に対処することが大切です。本記事があなたのお役に立てることを願っております。
なお、周囲にパニック障害の悩みを相談できず、おひとりで悩まれている方は「nicot+(にこっとプラス)」にご参加ください。
「にこっとプラス」では、次のように参加者同士が症状への悩みや対処法といった情報を気軽に交換することができます。
「いきなりコミュニティに入るのはちょっと気が引ける…」と不安な方は、自宅や外出先で行える、薬に頼らず「食事」と「栄養」でパニック障害を克服する改善動画をご覧ください。
実際に、本動画を視聴した91%の方が症状の改善を実感しています。パニック障害を克服する効果的な改善方法を詳しく知りたい方は、ぜひ一度お試しください。
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