この記事では目安も交え、パニック障害の薬の投薬期間を解説します。
パニック障害の薬はいつまで飲み続ければいいの?
途中で服用をやめたりすると、治らなくなるのかな…
いつまでパニック障害の薬を飲み続ければいいのか、気になっている人は多いですよね。
服用期間の目処がわからないまま薬を飲み続けている状態は、いわばゴールのないマラソンを続けているようなもの。「ずっと薬を飲み続けないといけないのかな…」と不安な気持ちでは、治療に支障をきたしかねません。
そこで、本記事ではパニック障害の薬はいつまで飲み続ければいいのか、服用期間の目安をわかりやすく解説します。薬を服用する際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 症状の安定には最低でも6ヶ月の服用期間が必要
- 症状の再発防止を踏まえると、6~12ヶ月の服用期間が必要
- 早期に治療へ取り組むほど薬の服用期間は短くなる
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なお、パニック障害になる原因を知りたい人は、下の動画もあわせてご覧ください。
パニック障害の薬物治療には最低6ヶ月の期間が必要
パニック障害の薬物治療には最低6ヶ月の期間が必要です。また、完治にはおよそ12ヶ月が必要とされています。その理由は、薬物治療によってパニック障害の症状を安定させるのに、最低でも6ヶ月の期間がかかるためです。
最初の6ヶ月間で症状を安定させ、その後は症状の再発防止や減薬の期間となります。ここからは、次の2つの期間ごとの治療内容をまとめて解説します。
- ~6ヶ月:症状の安定に向けた服用期間
- 6~12ヶ月:症状の再発防止・減薬期間
~6ヶ月:症状の安定に向けた服用期間
薬物治療を始めてからの6ヶ月間は、症状の安定に向けた服用期間になります。まず、最初の2週間〜3ヶ月間はSSRI(※1)などの抗うつ薬を服用してパニック障害による発作の頻度を減らしていきます。
また、抗うつ薬の効果がでるまでに2週間ほどかかるため、ベンゾジアゼピン系などの抗不安薬を組み合わせていくのが一般的です。抗うつ薬を服用して3ヶ月ほど経ち、パニック発作が落ち着いてきたら、予期不安(※2)や広場恐怖(※3)の治療を行っていきます。
薬を服用して発作をコントロールしながら、精神療法を行ってパニック障害の症状を緩和・克服していきます。
急性の発作を迅速に鎮静する効果がある「ベンゾジアゼピン系の抗不安薬」は、一時的な治療としてが使用されるケースもあります。
ただし、依存するリスクがあるため長期的な使用は避けるべきです。
6~12ヶ月:症状の再発防止・減薬期間
薬物治療の6~12ヶ月間は、症状の再発防止や減薬をしていく期間です。パニック障害では、症状が改善したあと少なくとも半年は薬物治療を継続すべきだと言われています。
理由としては、症状が改善した期間があって薬を辞めても、安定した状態が続くとは限らないからです。そのため、パニック障害によって衰えた体力を戻しつつ、段階的に薬を減らしていくことが大切です。
薬を減らしていく際は、医師と相談しながらゆっくりと進めていきましょう。
パニック障害の薬の服用期間にまつわる基礎知識
ここからは、パニック障害の薬の服用期間にまつわる基礎知識を、4つにまとめて解説します。
- 治療期間=症状安定+再発リスクが低くなるまでの期間
- 早期に治療へ取り組めば薬の服用期間は短くなる
- 効果が強い薬で服用期間が短くなるとは限らない
- 市販薬の長期服用では治療につながらない
治療期間=症状安定+再発リスクが低くなるまでの期間
パニック障害における治療期間は、症状が安定して再発するリスクが低くなるまでの期間を指します。その理由は、一時的にパニック障害の症状が改善したとしても、安定した状態が続く患者さんは半数未満と言われているからです。
パニック発作がなくなったからといって完治したというわけではありません。そのため、症状が安定して医師が再発リスクが低いと判断した場合にのみ、薬を徐々に減らしていくことができます。
早期に治療へ取り組めば薬の服用期間は短くなる
パニック障害は、早期に治療へ取り組めば、その分薬の服用期間は短くなります。症状を放置したりして治療を始めるのが遅いと、発作や予期不安の頻度が増えて症状が悪化してしまいます。
また、症状が慢性化したり、うつ病などの合併症を発症したりすることも少なくありません。ただし、症状が悪化する前の早期の段階で治療に取り組むことで、短い服用期間で症状を改善することができます。
そのため、パニック障害の症状が出たら、なるべく早く医師に見てもらうことが大切です。
なお、下の記事ではパニック障害の主要な処方薬を紹介しているので、あわせてご覧ください。
効果が強い薬で服用期間が短くなるとは限らない
「効果が強い薬で服用期間が短くなる」というイメージを抱いてる方もいますよね。しかし、効果が強い薬で服用期間が短くなるとは限らないのが事実です。
その理由は、薬の効き目には個人差があり、飲む人の薬物代謝や生活習慣、他の薬や食品との飲み合わせによって大きく異なるからです。パニック障害の治療においては、薬の強さよりも症状の安定性と持続的な改善が優先されます。
また、効果の強い薬は副作用が生じる可能性があり、副作用を治すための治療に時間がかかることがあります。そのため、効果の強さではなく、自身にあった薬を服用することが大切です。
なお、下の記事ではパニック障害の副作用を詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。
→ パニック障害の薬に副作用はある?症状例や服用時の注意点も紹介
市販薬の長期服用では治療につながらない
「市販薬でもパニック障害の治療はできる」というイメージを抱いてる方もいますよね。しかし、市販薬を長期服用することで、パニック障害を克服することはできません。
なぜなら、市販薬は一時的に症状を和らげることはあっても、根本的な治療にはならないからです。市販薬は処方薬に比べて成分の効果が弱く、パニック障害に対して十分な効果を発揮しません。
また、医師の処方薬と違って患者の体質や症状に合わせて薬が選定されていないため、効き目が弱い傾向にあります。
他にも、市販薬は依存症や耐性が生じることも少なくありません。そのため、パニック障害の治療には、医師による処方薬を服用することがおすすめです。
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パニック障害の薬の服用が長引く主な原因
ここからは、パニック障害の薬の服用が長引く主な原因を、3つにまとめて解説します。
- 服用の中断・再開を繰り返す
- 症状の再発
- 自身にあわない薬の服用
原因1:服用の中断・再開を繰り返す
服用の中断・再開を繰り返すことは、パニック障害の薬の服用が長引く主な原因のひとつです。なぜなら、急に服用を中断すると、反動によって症状が元に戻ってしまうことがあるからです。
また、急に薬の服用を中断することで恐怖や不安感が増強され、症状が悪化してしまうこともあります。結果的に症状が安定せず、薬の服用が長引くことになります。
服用の中断・再開を繰り返すことは多くのリスクがあるため、医師の指示のもと適切に薬の服用を続けることが大切です。
原因2:症状の再発
パニック障害の症状の再発も、パニック障害の薬の服用が長引く主な原因のひとつです。パニック障害は一度症状が改善された後、再発するケースも少なくありません。
再発した場合には、症状を安定させるために再度時間をかけて薬を服用する必要があります。また、以前服用していた薬に耐性ができていた場合には効果が薄いことがあるため、薬の服用が長引くことも多いです。
他にも、再発のリスクが高い場合や、過去に薬を中断して症状が再発した経験がある場合は、2年以上の長期療法が検討されることがあります。
原因3:自身にあわない薬の服用
自身に合わない薬を服用していた場合、薬の服用が長引くことがあります。各個人の薬への反応や症状の経過には個人差があります。
とくにパニック障害は複雑な精神疾患であり、適切な診断と薬の選定が必要です。そのため、自身にあわない薬を服用していると効果が薄く、薬の服用が長引くことになります。
服用している薬の効果が薄いと感じた際には、一度医師に相談することが大切です。再度、薬の選定や量の調整をしたもらった上で薬物治療に取り組むようにしましょう。
なお、下の記事ではパニック障害に薬が効かない原因や対処法を紹介しているので、あわせてご覧ください。
まとめ:パニック障害の薬は医師に相談してから服用しよう
本記事では、パニック障害の薬の服用期間にまつわる基礎知識や、薬の服用が長引く原因を解説しました。パニック障害の薬物治療には最低6ヶ月の期間が必要です。
まずは、最初の6ヶ月間で発作をコントロールしながら、精神療法を行ってパニック障害の症状を緩和・克服していきます。しかし、服用の中断・再開を繰り返したり、自身にあわない薬を服用していたりすると服用期間が長くなるため注意が必要です。
安全に薬を服用するためにも、パニック障害の薬は医師に相談してから服用するようにしましょう。本記事があなたのお役に立てることを願っております。
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