セロトニンを増やす「ナイアシン」
ふじかわ心療内科クリニックの藤川徳美院長に
インタビューをさせて頂きましたので、掲載いたします。
この記事では、
お薬を使いたくない方へ「ナイアシンの効果」
についてご紹介します。
ご参考になさってくださいね。
【 本編 復習 】セロトニンが増える仕組みとは・・
今、日本で行われている不安・パニックの治療は、お薬によるものがメインです。
この薬による治療の目的は、不安・パニックを和らげるために、セロトニンを脳内に留めることにありましたね。
栄養療法のポイントは薬ではなく、栄養を摂ることでセロトニンを増やすところにあります。
セロトニンは、たんぱく質の一種であるL‐トリプトファンから作られます。
そのためセロトニンを増やす大前提として、たんぱく質をしっかり摂ることが必要なのでしたね。
そして、タンパク質をセロトニンに変換する時に、鉄分が必要となります。
特に女性の方は、月経などもあって鉄分も不足しがちなので、十分に取っていくことが望まれているのでしたね。
上記より、タンパク質と鉄分ををしっかり摂ることでセロトニンがたくさん増えるので、不安やパニックが抑えられるようになります。
しかし、タンパク質や鉄分をしっかり摂ってもセロトニンが増えないケースがあります。それはナイアシンという栄養素が不足している場合です。
そのため今回のwebセミナーでは、鉄分・たんぱく質に続く重要な栄養素として、ナイアシンについてご紹介致します。
ナイアシンとは?
ナイアシンというのはビタミンB3という、ビタミンB群の中に含まれるビタミンのことをいいます。
藤川先生のお話では、ナイアシンを摂取する事で不安が和らぎ、パニックが良くなる人が多いとのことでした。
この他ナイアシンは、欧米では不安・パニックの他にも統合失調症や自閉症などに、有効であると報告されています。
なぜナイアシンに効果があるの?
先にも申した通り、セロトニンはたんぱく質の一種であるL-トリプトファンから作られます。
けれどもL-トリプトファンから作られるのは、セロトニンだけではありません。
L-トリプトファンは、ナイアシンの生成にも使われます。
川で言えば、ナイアシンの方が川の上流で生成され、
下流まで残ったL-トリプトファンでセロトニンが生成されるイメージです。
その為、ナイアシンが不足している場合は、
Lトリプトファンはナイアシンの生成に優先的に使われてしまい、
セロトニンが作られないという事態が引き起こされます。
鉄分・たんぱく質を取っても中々良くならないという方の場合、
身体の体質や個性として、L-トリプトファンからナイアシンに変換される効率が悪く、
ナイアシン不足に陥っている可能性があります。
上記によりナイアシンを摂取することで、セロトニンが生成されやすくなるのですね。
セロトニンが増えれば不安も和らぐので、パキシルやジェイゾロフトといったお薬が、必要なくなってくると考えられます。
<事例>ナイアシンによって4か月で改善。
藤川先生のクリニック症例として・・・
・発作は予防できているけれど、不安が消えない
・鉄剤を処方されるも。フェリチンが増えない
・15年間パキシルを服用
という患者にナイアシンが処方されたところ、
4~6か月の服用で15年ぶりに
パキシルをやめることができた方がいらっしゃるとのことでした。
藤川先生によれば、ナイアシンが第一選択になるのは・・
・どうやってもフェリチンが上がらない時
・お薬からなかなか離れられない時
とのこと。
ナイアシンの処方で、長らくやめられなかったお薬から離れることができたというのは、とても大きなことですよね。
かつそのような症例があった事実は、あなたにとっても心強く感じられますよね^^
ナイアシンを使う時のポイント
ナイアシンには、
・ナイアシン
・ナイアシンアミド
という二種類があります。
ナイアシンアミドはナイアシンより効果が弱く、副作用がありません。
他方ナイアシンの方は効果が強い一方で「ナイアシンフラッシュ」という副作用が見られることがあります。
「ナイアシンフラッシュ」というのは末梢血管が拡張し、体が真っ赤になって痒くなるものです。
副作用の出方は人によって異なりますが、一週間ぐらい続けると体が慣れてきてフラッシュが出なくなります。
「ナイアシンフラッシュ」は、身体の中に蓄積されたヒスタミン(かゆみ物質)を体外に排出するためのもので、本来危険なものではありません。
摂取してから1時間後に赤くなったりかゆみが出たりすることがあるのですが、さらに1時間ほど経つと、だいたい消える場合が多いです。
しかし場合によっては、しばらくの時間続くこともあり、最初は夜に飲んで試してみることをお勧めします。
この他、たまにナイアシンを多く摂取することで、気分が悪くなる場合があります。
その場合は、自分で量を減らすなどの調整をしたり異変があった場合は止めてみるなど、調節しながら飲むことが大切です。
何をどれくらい飲むと良い?
藤川先生のおすすめは
・ナイアシンアミド(フラッシュ無し:500mg/1錠)を1日3錠
・ナイアシン(フラッシュ有り:100mg/1錠)を1日3錠スタート増~
の併用とのことでした。
そうすれば、最初から1800mg/1日を摂取できます。
けれどもあなたも、危険なことではないけれどもナイアシンフラッシュが心配かもしれませんよね。
その場合には、
・ナイアシンアミド(フラッシュ無し:500mg/1錠)を1日3錠
からスタートし、慣れてきたところで
・ナイアシン(フラッシュ有り:100mg/1錠)
を、徐々に時間をかけて増やしていくのが、望ましいとのことでした。
ナイアシンフラッシュで気を付ける時のポイント
ナイアシンフラッシュを抑えるべく、飲む際に気を付けるポイントは3つあります。
それは・・・
①空腹時に飲まない
②冷たい水で飲む
③ビタミンCを1週間前から飲んでおく
ということです。
ビタミンCには、ヒスタミン(かゆみ物質)を身体の外に排出しやすくさせる役割があります。
そのため、1週間前から1日1g×3回程度飲んでおくことで、ヒスタミンを輩出しやすくさせておくのですね。
Q&A:ナイアシンについてのニコプラ会員の疑問
食事でナイアシンは十分摂れる?
ナイアシンは、食品ならナッツ類に多く含まれています。
けれども食品だけでは絶対量が少ないため、サプリで摂るのがオススメです。
海外製のサプリでも大丈夫?
もしかしたらあなたも、海外製のサプリは怖いという印象をもっていらっしゃるかもしれませんね。
けれども例えばサプリ大国アメリカでは、日本以上に厳しい基準が敷かれています。
その上、正確な量が入っていないと認可されません。
つまり、日本よりも品質基準が厳しいということですね。
上記より、安心して海外製サプリでも飲んで頂ければ幸いです。
藤川先生お勧めのナイアシン摂取量で、肝機能障害を引き起こすことは無いの?
2017年8月のオーソモレキュラー医学ニュースサービスにて、以下発信されています。
ナイアシンは肝臓への毒性は無い。ナイアシン両方によって肝臓機能検査値は高くなる。しかし、こうした数値上昇は、肝臓の働きが活発であることを意味するもので、潜在している肝臓病変を示すものではない。
栄養学(オーソモレキュラー医学)を専門とする医師は、50年以上にわたり、ビタミンB3を1日当たり数万ミリグラムもの高用量で用いている。
心臓専門医は、コレステロールを下げる目的で1日数千ミリグラムのナイアシンを患者に与えることがよくある。ナイアシンが選ばれるのは、安全裕度が非常に大きいからである。米国中毒管理センター協会の毒性暴露監視システムの年報によると、ナイアシンの形態を問わず、ナイアシンによる死亡は1年に1件もない。
また同じオーソモレキュラー日本医学サービスの、2018年1月発信からは、以下参照できます。
統合失調症をはじめ多くの病的状態の検査や治療にナイアシン療法を用いる方法は急速に広まっているようである。
ナイアシンは安価であり、健康の目的で広く使用されているが、治療を切実に必要とする人にも役立つ可能性がある。
治療効果を得るには、ナイアシンを、1日3,000 mgを上限として徐々に用量を増やしながら数回に分けて摂り、それと併せて1日2,000 mg以上のビタミンCおよび他の必須栄養素も摂るよう、Hofferは推奨している。
オーソモレキュラー日本医学サービスは、専門的な資格を持つ医師の監修の元発信されており、そのような点からも信頼して取り組むことができますね。
出典: オーソモレキュラー日本医学サービス2018.1.19
男女別の摂取量編:ナイアシンの飲み方
今回は、男性と女性で飲み方が変わってくるので、
男性・女性別でナイアシンの飲み方についてお伝えいたします。
女性の場合
女性の場合は、
・ナイアシンアミド(500㎎/1錠)を、1錠×3回(朝・昼・晩)
・ナイアシン(100mg/1錠)を、1錠×1回(晩)
からのスタートがおすすめです。
その上で、ナイアシンフラッシュの影響が少なければ、
・ナイアシン(100mg/1錠)を朝にも追加=1錠×2回(朝・晩)
さらに朝晩に問題が無ければ
・ナイアシン(100mg/1錠)を昼にも追加=1錠×3回(朝・昼・晩)
と量を増やしていく。
最終的に
・ナイアシンアミド(500mg/1錠)を1日3錠、1500mg分
・ナイアシン(100mg/1錠)を1日15錠、1500㎎分
を1日に摂れるようになることを、目指します。
それでも効果をあまり実感できない方は・・・
ナイアシンアミド(500mg/1錠)を減らしつつ、ナイアシン(100mg/1錠)を増やしていき・・・
⇒ナイアシンだけで3000mg(1日30錠分)摂取
ができるようになると、かなり良くなるとのことでした。
男性の場合
男性の場合は、
・ナイアシンアミド(500㎎/1錠)を、1錠×3回(朝・昼・晩)
・ナイアシン(500mg/1錠)を、1錠×1回(晩)
からのスタートがおすすめです。
その上で、ナイアシンフラッシュの影響が少なければ、
・ナイアシン(500mg/1錠)を朝にも追加=1錠×2回(朝・晩)
さらに朝晩に問題が無ければ
・ナイアシン(500mg/1錠)を昼にも追加=1錠×3回(朝・昼・晩)
と量を増やしていく。
最終的に
・ナイアシンアミド(500mg/1錠)を1日3錠、1500mg分
・ナイアシン(500mg/1錠)を1日3錠、1500㎎分
を1日に摂れるようになることを、目指します。
それでも効果をあまり実感できない方は・・・
ナイアシンアミド(500mg/1錠)を減らしつつ、ナイアシン(500mg/1錠)を増やしていき・・・
⇒ナイアシンだけで3000mg(1日6錠分)摂取
ができるようになると、かなり良くなるとのことでした。
あなたの体調と相談しながら、無理なく進めて頂けると幸いです。
克服インタビュー
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ほとんど眠れず、つらい毎日を過ごしていた河田さん(40代・女性)
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