このページでは、
・どうやってケアしていく病気なのか、わからない、
・具体的に、どういうケアの方法があるのか、知りたい、
という方へ向けた内容になっています。
不安・パニック障害のケアには、どのような方法がある?
不安・パニック障害の治療には次のような治療法がよく用いられます。
このページでは、
・どうやってケアしていく病気なのか、わからない、
・具体的に、どういうケアの方法があるのか、知りたい、
という方へ向けた内容になっています。
不安・パニック障害のケアには、どのような方法がある?
不安・パニック障害の治療には次のような治療法がよく用いられます。
1.認知行動療法(心理療法)
パニック障害に対する心理療法として、有名です。
具体的には
・不安やパニックに対する認知(考え方)を変える
・少しずつ苦手な場面にチャレンジして慣れさせる、
などをして、不安感を軽減させていく心理療法です。
歴史のある心理療法のため、従来より、論文も多数出ており、、
その効果が実証されている心理療法になります。
一方で、克服までに時間がかかること、苦手な場面に何度も何度もチャレンジしなければならないため、クライアントの負担が大きい、モチベーションが続かない、などの問題がありました。
認知行動療法は自分でも実践できる心理療法ですが、実践される際は、専門家のもとで、サポートしてもらえる環境を作りながら、少しずつチャレンジしていくことをお勧めします。
2.新しい心理療法
苦手な場面を克服する事は、昔はなかなか難しいと言われてきましたが、今は、新しい心理療法が出てきたことで、多くの方が克服できるようになりました。
ここでは、新しい心理療法について解説していきます。
2-1 EMDR (Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)
2013年にNHKが「画期的な心理療法」として放映したことをきっかけに日本でも一気に人気になった心理療法です。
世界保健機構もその効果を認め、予期不安などに対し、十分な根拠をもった心理療法。
簡単に説明しますと、カウンセラーの誘導に従って、クライアントは、左右の眼球運動をします。
左右の眼球運動をしながら、苦手な場面を思い浮かべカウンセリングを行うと、その場面に対する予期不安が、軽減していく。
という心理療法です。
(わかりやすく説明するために、かなり簡略化しています)
左右の眼球運動が不安解消につながる原理
– 夢を見る理由は?(レム睡眠仮説)
人は寝ている間に夢を見ますが、この夢を見ている時に記憶を整理するとともに、日々のネガティブ感情(不安や恐怖など)を解消していると考えられています。
この夢を見ている睡眠のことを「レム睡眠」と言いますが、レム睡眠時に人の身体で何が行われているか、というと、まぶたの下で眼球が左右に高速に動いています。
※夜、ご家族が寝ている時、目を見てみてください。
ご家族が夢を見ている睡眠の場合(REM睡眠)の場合は、まぶたの下で目がキョロキョロ左右に動いているのを見ることができます。
※レム睡眠のREMは「Rapid eye moving」つまり、高速眼球運動のことです。
この高速眼球運動が、記憶を整理し、ネガティブ感情を消去させることにつながっているという原理(仮説)を活かし、覚醒時(つまり起きている時)に眼球運動を行うことで、ネガティブ感情を解消していくのが、EMDRという心理療法です。
※ビデオ通話でも対応可能です
2-2 ブレインスポッティング
ブレインスポッティングは、EMDRの施術者でもあったデイビッド・グランド博士が開発した心理療法です。
Newtown Sandy Hook財団が2016年に各心理療法の効果について調査した結果によれば、ブレインスポッティングは一定の効果があることが示されています。
グランド博士は、ナチュラルフローEMDR(ゆっくりと眼球を動かすEMDR)をしている時に、あるポイントで眼球運動を止めると、より早く記憶の処理が進むことを発見し、そこからヒントを得てこのブレインスポッティングを開発されました。
日本では、2013年に東京未来大学の准教授藤本昌樹先生が日本に初めて導入し、2017年には書籍が出版されるようになりました。
ブレインスポッティングについて詳しくはこちら→ http://btij.org/
(※1)Newtown Sandy Hook財団「Report of Findings from the Community Survey September 2016 」2016年(リンク付き)
2-3 タッピング(TFT療法)
タッピングとは、身体にあるツボを叩くことで不安を解消する、という心理療法です。
不安を持っている人の70%以上の方に効果がある、という心理療法で、米国政府機関で、エビデンスのある心理療法法として認められています。
ハーバード大学の研究では、特定のツボの刺激は不安の元である扁桃体の活動を沈静化し、セロトニンを増加させるなどの発表がありました。
手軽に自分でできることが特徴で、世界各国の紛争地域や、日本では、東日本大震災や熊本の震災にて使用されている心理療法です。